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渡航者医療センター

海外感染症流行情報

海外感染症流行情報(2026年9月号)

東京医科大学病院 渡航者医療センター

●全世界: インフルエンザとCOVID-19の流行状況

日本では8月末からインフルエンザの早期流行が発生しており、検出されるウイルスはA(H1N1)型が多くを占めています(厚生労働省 26-9-18,国立健康危機管理研究機構 26-9-18)。東南アジアや南アジアでも6月ごろからA(H1N1)型の流行がみられており、9月には韓国など東アジアにも拡大しています(WHO西太平洋 26-9-10、WHO南東アジア 26-9-9、ボストン大学BEACON 26-9-15)。
COVID-19については、9月になり日本、米国、ヨーロッパなどで患者数が増加傾向にあります(厚生労働省 26-9-18, 米国CDC 26-9-18, ヨーロッパCDC 26-9-18)。検出されるウイルスはオミクロン株のXFG型が世界的に多くなっていますが、日本ではBA.3.2型が半分近くを占めています(国立健康危機管理研究機構 26-9-18)。

●アジア: アジアでのデング熱流行状況

アジア各地では9月もデング熱の流行が続いています(WHO西太平洋 26-9-17、WHO南東アジア 26-9-9)。今年はカンボジア、マレーシア、ベトナム、バングラデシュ、スリランカで、例年より多くの患者数が報告されています。各国の雨期はそろそろ終りに近づいており、患者発生のピークは超えた模様です。

●アジア: インドでのマラリアリスク

インドではマラリアの流行が東部のオリッサ州などに限局していますが、西部のムンバイでも2025年は2,000人以上の熱帯熱マラリア患者が報告されました(ボストン大学 BEACON 26-9-17)。これは10年前に比べて6倍の数です。この原因は東部からの労働者の流入と考えられています。ムンバイなどインド西部に滞在する際も、蚊に刺されない対策をとってください。

●アフリカ: コンゴ民主共和国でのエボラ出血熱の流行

コンゴ民主共和国・北東部でのエボラ出血熱の流行は、9月に入りピークを超えつつあります。患者数は9月中旬までに7,773人で、1ヶ月で約2,400人増加しました(WHO 26-9-10, ヨーロッパCDC 26-9-23)。このうち3,759人が死亡しています。今後もWHOを中心とした制圧が続けられますが、既に2014~16年に西アフリカで発生した史上最大の流行(患者数約28,000人)に次ぐ規模になっています。

●アフリカ: 西アフリカ・セネガルでのジフテリア流行

今年、西アフリカのセネガルでは、首都のダカールなどで57人のジフテリア患者が発生し、8人が死亡しました(ボストン大学 BEACON 26-9-11)。ジフテリアは呼吸器や皮膚を傷害する細菌感染症で、飛沫感染や接触感染で拡大します。同国では今年10月末から11月中旬まで第4回ユースオリンピックが開催される予定で、日本から渡航する際には、三種混合ワクチン(ジフテリアが含まれる)の接種を受けておくことが推奨されます。

●米国: 麻疹患者の増加

米国では今年に入り麻疹患者が増加しており、その数は9月中旬までに3,200人以上になりました(米国CDC 26-9-23)。9月現在、ペンシルバニア州やオハイオ州で患者発生が多くみられます。今年は昨年の年間患者数(2,289人)を既に超えており、過去30年で最大の流行となっています。患者の6割以上は19歳以下の若い世代で、ワクチン接種率の低下が流行の原因と考えられています。

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