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渡航者医療センター

海外感染症流行情報

海外感染症流行情報(2026年3月号)

東京医科大学病院 渡航者医療センター

全世界: インフルエンザとCOVID-19の流行状況

インフルエンザの北半球での患者数は3月に入って減少傾向にあります(WHO global influenza program 26-3-18)。ウイルスの種類は、日本などアジアではB型、ヨーロッパや北米ではA(H3N2)型の検出が多くなっています。
COVID-19については、北半球全体で冬の流行がほぼ収束しています(WHO COVID-19 dashboard 26-3-1)。ウイルスの種類は、昨年秋以来のXFG型とNB.1.8.1型が多く検出されていますが、2022年前半に拡大したBA.3系統の子孫であるBA.3.2型が世界各地で増加傾向にあります(米国CDC MMWR 26-3-19)。WHOも25年12月にBA.3.2型を監視対象(VUM)に指定し、警戒を強めています。

アジア: デング熱の流行状況

アジア諸国でのデング熱患者数は3月中旬の時点で、大きな増加はありません(WHO西太平洋 26-3-19、WHO南東アジア 26-3-11)。米国CDCは、ベトナムやバングラデッシュで今年の患者数が例年よりも多いと報告しています(米国CDC Traveler’s Health 26-3-23)。また、南太平洋のサモアやニューカレドニアでは患者数が増加傾向にあり、例年よりも多い数です(WHO 西太平洋 26-3-19)。

アジア: 日本で麻疹患者が増加

今年は日本の麻疹患者数が3月中旬までに累積で139人にのぼっており、昨年(年間患者数265人)を上回るペースで増えています(国立健康危機管理研究機構 26-3-24)。海外からの輸入事例は27人で、感染国はインドネシア(11人)、ニュージーランド(7人)が多くなっています。今年は海外渡航歴のない患者の発生も多く、東京都内の同一飲食店に勤務する従業員9人(20歳代)が、2月から3月に麻疹を発病しました(東京都保健医療局 26-3-17)。麻疹を疑う発熱や発疹などの症状がある場合は、海外渡航の有無にかかわらず、早めに医療機関で検査を受けることを推奨します。

ヨーロッパ: 英国での髄膜炎菌感染症の集団発生

英国南部のカンタベリーにあるケント大学で、髄膜炎菌感染症の集団発生が起こりました。保健当局の報告によれば、3月23日までに20人の患者が確認され、2人が死亡しています(英国健康安全保障庁 26-3-23)。髄膜炎菌感染症は飛沫感染で広がり、発病すると髄膜炎や菌血症など重篤な症状を起こします。今回の集団発生はB群の髄膜炎菌が原因になっており、日本で承認されている4価髄膜炎菌ワクチン(メンクアッドフィ)では予防できない血清群です。海外では髄膜炎菌B群ワクチン(MenBワクチン)も使用されていますが、日本では未承認です。このワクチンを、輸入ワクチンとして接種している国内の医療機関もあります。

ヨーロッパ: イタリアでA型肝炎の患者が増加

イタリア南部のCampana地方でA型肝炎の患者が増加しており、今年は3月中旬までに65人が確認されました(英国National Travel Health Network Center 26-3-20)。二枚貝の料理を食べて感染したと推測されています。この地方のナポリやカプリには日本からの観光客も多く、滞在中は食事に十分注意する必要があります。

南米: コロンビアで黄熱の流行が続く

南米のコロンビアでは、昨年から黄熱の患者数が増加しており、今年も首都ボゴダの近郊にあるトリマなどで、3月中旬までに30人の患者が確認されました(英国National Travel Health Network Center 26-3-17)。同国に滞在する際には、短期であっても黄熱ワクチンの接種を受けておくことを推奨します。

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