03-3342-6111(代表)

渡航者医療センター

海外感染症流行情報

海外感染症流行情報(2026年8月号)

東京医科大学病院 渡航者医療センター

全世界: インフルエンザの流行状況

南半球の温帯は冬の最中にあり、インフルエンザの流行が拡大しています(WHO Influenza 26-8-19)。とくにニュージーランドでは、昨年、日本などで流行したA(H3N2)型(サブクレードK)の患者が急増しています(ボストン大学 BEACON 26-8-22)。アジアでも中国、東南アジア、インドなどで、A型の患者数の増加がみられています(WHO西太平洋 26-8-13、WHO南東アジア 26-8-12)。

全世界: COVID-19の流行状況

香港、シンガポール、インドなどでCOVID-19の患者数が増加しています(WHO西太平洋 26-8-13、WHO南東アジア 26-8-12)。これらの地域ではオミクロン株のPQ.16.1.1型が拡大しており、WHOは7月末にこの変異株を監視対象(VUM)に指定しました(WHO COVID-19 26-7-27)。PQ.16.1.1型は昨年流行したNB.1.8.1型の子孫で、免疫逃避はしやすくなっていますが、病原性には変化がないようです。日本での検出数はまだ少数で、今後、増加する可能性があります。

アジア: アジアでのデング熱流行状況

8月はアジア各地が雨季を迎えており、デング熱の流行が発生しています(WHO西太平洋 26-8-20、WHO南東アジア 26-8-12)。今年はマレーシア、カンボジア、バングラデシュ、スリランカで患者数が多く、マレーシアでは首都のクアラルンプルを中心に5万人の患者が報告されています(ボストン大学 BEACON 26-8-21)。雨季はまだ続くため、流行地域では蚊に刺されない注意をしてください。

アジア: バリ島でのジカ熱のリスク

ジカ熱は蚊に媒介される感染症で、アジア、南太平洋、中南米などで流行しています。米国CDCは、インドネシアのバリ島旅行から帰国後にジカ熱を発症した複数の患者を確認したことから、Level 2の注意喚起(予防対策の強化)を発しました(米国CDC Traveler’s Health 26-8-7)。妊婦がジカ熱に罹患すると胎児に小頭症などを生じる可能性があるため、「妊婦の渡航は出来るだけ控えるように」との見解も示しています。

アフリカ: コンゴ民主共和国でのエボラ出血熱の流行

コンゴ民主共和国の北東部で発生しているエボラ出血熱の流行は、8月も拡大しています。患者数は8月中旬までに5,290人となり、2,516人が死亡しました(ヨーロッパCDC 26-8-21)。流行地域は6つの州に及んでおり、患者数増加のスピードは加速しています(WHO 26-8-14)。同国はエボラ出血熱の流行を1976年以降に17回経験していますが、今回は過去最大の流行になりました。

ヨーロッパ: ヨーロッパでの蚊媒介感染症の流行

ヨーロッパでも夏は蚊の生息数が増えるため、蚊媒介感染症の患者数が増加します。今年、フランスでは、地中海沿岸地域を中心にチクングニア熱の患者が25人、デング熱が4人発生しました(ヨーロッパCDC 26-8-21)。ウエストナイル熱の患者も今年はヨーロッパ域内で600人以上報告されており、国別ではイタリアで311人、ギリシャで157人、スペインで63人となっています(ヨーロッパCDC 26-8-21)。本症は神経系の重篤な合併症を起こすことがあり、今年は既に12人が死亡しています。夏のヨーロッパに滞在する際は、蚊に刺されない注意をしてください。

バックナンバー

問合せ先

東京医科大学病院 渡航者医療センター
〒160‐0023 東京都新宿区西新宿6-7-1 東京医科大学病院 駐車場棟
電話 : 03-5339-3726(直通)
E-mail : travel@tokyo-med.ac.jp

Page Top