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渡航者医療センター

海外感染症流行情報

海外感染症流行情報(2026年2月号)

東京医科大学病院 渡航者医療センター

全世界: インフルエンザとCOVID-19の流行状況

インフルエンザについては、2月に入り東アジアや東南アジアでB型の流行が拡大しています(WHO global influenza program 26-2-18)。日本では定点患者数が30人を越え、2回目の警戒レベルになりました(厚生労働省 26-2-20)。ヨーロッパや北米でもインフルエンザの流行は続いていますが、今のところA型が主流です。COVID-19については、北半球全体で冬の流行がほとんどみられていません(WHO COVID-19 dashboard 26-2-1)。ウイルスの種類は、昨年秋以来のXFG型とNB.1.8.1型が多く検出されています。

アジア: 南アジアでのニパウイルス感染症の患者発生

インドの西ベンガル州で、1月にニパウイルス感染症の患者が2名発生しましたが、その後、同国での新たな患者発生は報告されていません(WHO Disease Outbreak News 26-1-30)。一方、隣国のバングラデッシュ北西部で、2月に40~50歳代の女性1名が本症で死亡しました(WHO Disease Outbreak News 26-2-6)。ニパウイルスはコウモリが保有しており、その体液で汚染された飲食物を摂取するなどして感染し、脳炎などを起こします。バングラデッシュの患者は、汚染された可能性のあるナツメヤシの樹液を飲んでいたことが明らかになっています。

アフリカ: モザンビークでコレラ、マラリアが流行

アフリカ南部のモザンビークでコレラの流行が発生しており、雨期が始まる中、全土に拡大しています(ProMED 26-2-20)。また、同国では雨の影響でマラリア患者数も増加しており、今年になり130万人以上の患者が発生しています(Boston大学 BEACON 26-2-21)。モザンビークに渡航する際は、コレラワクチンの接種とともに、マラリアの予防内服も検討してください。

北米: 米国で麻疹患者がさらに増加

今年になり米国では麻疹患者の発生数が急増しており、2月下旬までに患者数は982人になっています(米国CDC 26-2-20)。昨年は年間患者数が2255人と1992年以来最多の数でしたが、今年はそれを上回るペースで増えています。患者が多発しているのはサウスカロライナ州で、全米の患者の6割以上を占めています。米国滞在にあたり、麻疹の罹患歴がなく、過去に2回以上のワクチン接種歴のない人は、渡航前にワクチン接種を受けておくことを推奨します。

南米: ブラジルなどでの蚊媒介感染症の流行状況

南米各地で今年も蚊媒介感染症の患者が増加しています。ブラジルでは2月中旬までに、デング熱の患者が6万人(英国National Travel Health Network Center 26-2-19)、チクングニア熱の患者が4500人発生しています(米州保健機関 26-2-10)。同国ではこれから雨期を迎えるため、患者数がさらに増えることが予測されます。ボリビアでも東部のサンタクルズなどで、チクングニア熱の患者が3000人以上報告されています(Boston大学 BEACON 26-2-22)。

オセアニア: オーストラリアで日本脳炎患者が発生

オーストラリア南部のニューサウスウエールズ州(州都はシドニー)で60歳代の男性が日本脳炎を発症しました(英国National Travel Health Network Center 26-2-5)。同州で飼われているニワトリからもウイルスが検出されています。オーストラリア南部では、2022年から日本脳炎の患者が夏季に発生しており、厚生労働省検疫所のホームページでは、リスクの高い渡航者に日本脳炎ワクチンを受けることを推奨しています。

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