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渡航者医療センター

海外感染症流行情報

海外感染症流行情報(2026年10月号)

東京医科大学病院 渡航者医療センター

●全世界: インフルエンザ、COVID-19の流行状況

日本では10月にインフルエンザの流行が注意報レベルになり、検出されるウイルスはA(H1N1)型が多くを占めています(厚生労働省 26-10-23)。東アジアや東南アジアでもA(H1N1)型の流行がみられ、患者数が増加傾向にあります(WHO西太平洋 26-10-22)。
COVID-19については、ヨーロッパで患者数が10月も増加しており、XFG型が主流です(ヨーロッパCDC 26-10-16)。一方、日本ではBA.3.2型が主流で、夏の流行はほぼ収束しました(厚生労働省 26-10-23)。

●アジア: アジアでのデング熱流行状況

アジアでは10月も、マレーシア、ベトナム、タイでデング熱の患者数が多くなっています(WHO西太平洋 26-10-15、WHO南東アジア 26-10-21)。また、バングラデッシュで10月に患者数が急増し、今年の累計数は11万人になりました。アジアの熱帯、亜熱帯では11月も媒介蚊の発生が続くため、デング熱への予防対策が必要です。

●アフリカ: アフリカでのエボラ出血熱の流行

コンゴ民主共和国・北東部でのエボラ出血熱の流行は、10月に入っても高いレベルの感染拡大が続いています。累積患者数は10月下旬までに9,704人(死亡者4,687人)で、この1ヶ月で約2,000人増加しました(WHO 26-10-23)。また、周辺国のケニアで9人、ナイジェリアで1人の患者が確認されました。ケニアではコンゴの流行地域からの入国者による拡大ですが、ナイジェリアの事例については感染ルートが判明していません(ボストン大学 BEACON 26-10-23)。

●アフリカ: 西アフリカでのジフテリア流行

西アフリカ各国でジフテリアの流行が発生しています。ナイジェリアでは今年になり1万2000人の患者(596人死亡)が発生し、セネガルでは首都ダカールなどで248人の患者(11人死亡)が確認されました(ヨーロッパCDC 26-10-16)。モロッコでも小規模な流行が発生しています。西アフリカに滞在する際には、三種混合ワクチン(ジフテリアが含まれる)の接種を受けておくことが推奨されます。

●ヨーロッパ: フランス、イタリアで蚊媒介感染症の患者増加

今年の夏はヨーロッパ各地で蚊媒介感染症の患者数が増加しています。フランスではチクングニア熱が163人、西ナイル熱が178人、イタリアではデング熱が60人、西ナイル熱が748人報告されました(ヨーロッパCDC 26-10-16, 英国 NaTHNaC 26-10-15,16)。フランスでは地中海沿岸地方、イタリアでは北部から中部で患者発生が多くなっています。なお、フランスで10月にシャモンダウイルスの初めての患者が発生しました(ヨーロッパCDC 26-10-22)。このウイルスはウシなどが保有しており、ヌカカによって媒介されます。今回の患者は基礎疾患があり、ヒトへの感染は稀と考えられます。

●米州: 米国などで麻疹患者が増加

今年、米国では麻疹患者数が10月下旬までに4,588人にのぼっており、昨年1年間の患者数の2倍を超えました(米国CDC 26-10-23)。死亡者も3人確認されています。患者の3割以上は東部ペンシルバニア州での発生でした。また、アメリカ大陸全体でも今年10月上旬までに5万6000人の麻疹患者が発生し、昨年同期の5倍近い数になりました。とくにグアテマラやメキシコでの発生が多くなっています(汎米保健機構PAHO 26-10-22)。

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