東京医科大学病院 TOKYO MEDICAL UNIVERSITY HOSPITAL

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麻酔科(ペインセンター)

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脊髄硬膜外刺激療法(SCS)について

1.Introduction:脊髄硬膜外刺激療法(Spinal Cord Stimulation :SCS)とは

 脊髄刺激療法とは、脊髄硬膜外腔という脊椎と脊髄を包んでいる膜の間に刺激電極を留置し、微弱な電気を流すことで疼痛を和らげる治療法です。

 脊髄刺激療法は、薬物治療や神経ブロックなどで効果が得られないビリビリとした痛み(神経障害性疼痛)や四肢の血流改善に有効です。脊髄刺激療法は痛みを緩和するためのものであり、痛みの原因を取り除く治療ではありません。痛みをやわらげることで、日常生活の活動の幅を広げることを目的としています。

 脊髄刺激療法を始めるにあたって、まずは電極の挿入を行い、試験的に刺激を行って除痛効果を確認します(トライアルの電極挿入・刺激)。トライアルの電極の挿入には、局所麻酔下で30分~1時間を要します。この際、刺激発生装置は体の外にあります。

 試験的な脊髄刺激で鎮痛効果が得られたなら、今度は体内に刺激発生装置を植込みます。リードが直接脊髄に当たることはないため、安全で低侵襲な手術です。

仰臥位(あおむけで撮影)
側臥位(よこむきで撮影)
腹臥位(うつぶせで撮影)

 目標とする適切な位置に留置されたことと、刺激による効果を確認します。
 手術は通常、局所麻酔+鎮静下で2~3時間程で終了します。脊髄刺激療法で用いる刺激電極や刺激装置は体内に完全に植込まれるため、体の外に露出することはありません。

2.適応疾患

 脊髄刺激療法は、神経の異常による痛みや血流障害による痛みなど、慢性難治性疼痛に効果があると言われています。

  • 末梢血管障害(ASO(閉塞性動脈硬化症)、バージャー病、レイノー病など)による痛み
  • 帯状疱疹関連痛
  • 開胸手術などの創部の難治性の痛み
  • 脊椎・脊髄疾患(脊柱管狭窄症など)による痛み

3.脊髄刺激療法の実際の流れ

 刺激装置を体内に植込む前に、まずはトライアルの電極挿入・刺激を行いますので1~2週間ほど入院し、治療効果があるのかを確認します。挿入した電極は退院前に刺激電極は抜去します。

 治療効果が認められ、患者さんが体内への刺激装置の植込みを希望される場合は、トライアルから1カ月ほど様子をみてから改めて本植込みを行います。

 本植込みは2~3週間の入院のもと行います。本植込みの手術は、局所麻酔+静脈麻酔鎮静下に側腹部や臀部などの目立たない部位に植込みを行います。術後は病棟で刺激の調整を行います。通常では、手術から1~2週間後に創部の抜糸を行います。退院後は定期的に外来で、刺激の条件やプログラムをチェックします。

4.安全な生活のために注意していただきたいこと

  • 電磁波が干渉する医療機器の使用や治療は医師にご相談ください。
  • 強い磁気を発する家電・工具などからは離れてください。
  • 防犯ゲート、金属探知機、電気自動車の充電器などに近づく際はあらかじめ刺激装置の電源をお切りください。
  • その他、使用に関して生活上懸念されることがありましたら医師にご相談ください。

脊髄硬膜外刺激療法についてご相談のある方は、遠慮なくお問い合わせください。

お問い合わせ先

東京医科大学病院 麻酔科(ペインセンター)

左:内野主任教授 右:大瀬戸特任教授

以上
(2021年1月)

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