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心臓血管外科

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低侵襲心臓手術(TAVI) 経カテーテル的大動脈弁置換術

(TAVI/TAVR)とは、『経カテーテル的大動脈弁置換術』transcatheter aortic valve implantation/replacementのことで、開胸せず、人工心肺も用いず、心臓を止めることなく、カテーテルを使って大動脈弁位に人工弁(生体弁)を植え込む手術です。
当院では,2019年7月の新病院開院に伴い、ハイブリット手術室(血管造影が可能なX線装置と外科手術が可能な手術台を組み合わせた手術室)が新設され、より低侵襲の手術が実施可能となりました。

植え込む人工弁(生体弁)
手術創の比較
ハイブリッド手術室

適応疾患について

治療適応としては、重症の大動脈弁狭窄症(AS:aortic valve stenosis).

  1. 大動脈弁口面積<1.0 cm2もしくは0.6 cm2/m2
  2. 大動脈弁圧較差≧40 mmHgもしくは血流速度≧4.0 m/s
  3. 症状として労作時息切れなどの心不全症状や胸痛、失神がある

上記と診断され、心臓血管外科と循環器内科を中心とするハートチームカンファレンスにおいて、大動脈弁の手術適応ではあるが、様々な理由で、通常の大動脈弁置換術が困難であり、ハイリスクと判断された患者さんを対象にします。

患者さんにとってのメリット

開胸せず、人工心肺も用いず,心臓を止めることなく、小さな切開で済むため、患者さんの身体への負担が小さい手術といえます。そのうえ、カテーテルを使って大動脈弁位に人工弁(生体弁)を植え付けられる手法は、痛みや症状の軽減のみならず、早期の退院・社会復帰、感染症リスクの低下、出血量の低下など、特に高齢者の患者さんには大きなメリットがあります。
また、以前は手術実施が困難とされた患者さんの手術を可能にする手技でもあります。

実績報告

TAVI/TAVR手術成績について、2020年7月から2021年6月までの1年間で全49症例に手術を施行した報告をいたします。
今回の報告は1000症例規模で実施されたTAVI/TAVR使用成績(PARTNER II試験,SAPIENシリーズ)と比較して、当院では平均年齢が高い患者さんを対象としていましたが、同等の結果を得ております。
今後も、ハートチームカンファレンスで、様々な理由でハイリスクと判断されたAS患者さんに、安心・安全にTAVI/TAVRを実施してまいります。

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