03-3342-6111(代表)

感染制御部

主な活動内容

1. 発生動向監視

  • 感染症発生の確認、感染経路および保菌者を把握するために、毎朝の感染制御部ミーティングにおいて情報共有および微生物サーベイランスによる感染症発生の確認と院内状況の把握を行っています。
  • カテーテル関連血流感染(CRBSI)サーベイランス、手術部位関連感染(SSI)サーベイランス等を実施しています。
  • 各種耐性菌の分離状況や血液培養の提出状況・2セット率などについて把握し、問題と思われる事例が発生した場合には注意を促すなどの介入を行っています。
  • 安全管理室と連携し、感染関連のインシデント・アクシデントに対応しています。

2. 対策実施の適正化

  • 感染予防策の周知徹底と継続的な実践および抗菌薬の適正使用を監視するために、毎週複数回、広域抗菌薬使用症例(抗MRSA薬、カルバペネム系、ピペラシリン・タゾバクタムなど)、多剤耐性菌検出症例、Clostridioides difficile感染症症例について協議しています。
  • 各部署を定期的にラウンドして、環境調査および直接観察法による手指衛生実施状況を確認しています。

3. 感染拡大防止への介入

  • 流行性感染症や多剤耐性菌が院内で発生した場合には、該当部署と密接な連携を取り、終息に向けた対策を講じています。

4. 感染症診療

  • 血液培養陽性症例、院内各診療科からのコンサルテーション症例に対しては、治療終了までフォローしています。
  • 広域抗菌薬長期使用症例に対してはラウンドの際に診断および治療面のアドバイスを行っています。
  • 薬物治療モニタリング(TDM)について薬剤部と共同で対応しています。

5. 職員への感染症・感染対策に関する教育・研修

① 研修医を対象とした教育

  • 研修医ランチョンセミナーで感染症診療の考え方、抗菌薬の使い方について定期的に勉強会を開催しています。研修医ランチョンセミナーについては年度前半に「感染症診療の総論事項と抗菌薬」について合計8回シリーズで開催し、年度後半には「症例から考える抗菌薬の使い方」として実際の症例を通じてどの様に感染症治療を行うかについて合計3回シリーズでレクチャーを行っています。
  • 主要抗菌薬の適正投与量の一覧表、主要抗菌薬のスペクトラム表、アンチバイオグラムなどのポケットマニュアルを作成し医師・薬剤師・看護師(助手)・コメディカルに配布し、現場での抗菌薬治療や感染対策の参考にしています。
  • 初期研修医に対しては自由選択で1ヶ月の研修を行っています。担当症例を中心に感染症診療の基礎、診断方法、抗菌薬治療について研修し、感染対策、微生物実習なども幅広く教育しています。定期的にクルズスを行い、基礎知識の習得に努めています。
<初期研修医ランチョンセミナー内容>
第1回 【総論】君たちはどう学ぶか?-研修医がいま感染症を学ぶ意味-
第2回 【感染予防策】患者?自分?誰のため?-みんなを守る感染対策最強レッスン-
第3回 【血影培養・微生物検査】感染症診療の三要素①-感染臓器の同定と培養検査-
第4回 【微生物】感染症診療の三要素②-培養評価のための微生物総論-
第5回 【抗菌薬】感染症診療の三要素③-適切な抗菌薬選択と考え方-
第6回 【感染症診療 症例編】実践!入院患者の急な発熱-その発熱、正しく対応できますか?-
第7回 【感染症診療 症例編】実践!当直中の発熱患者-外来での発熱の考え方-
第8回 【感染症診療 症例編】実践!最適な対応を考えよう-発熱患者 検査と治療の考え方-

② 全職員を対象とした研修

  • 全職員を対象とした医療安全・感染対策に関する研修会を年間2回開催し、基礎的な知識の提供および関連情報の確実な周知徹底をはかっています。
  • 定期的に開催される院内研修会を利用して、感染管理に関する研修会を年間2回開催し、情報提供および周知徹底をはかっています。
  • 中途採用者に対しては毎月開催している研修会への参加を促しています。

2021年度 院内定例研修会

開催日 時間 研修名 講師
1 2021年
9月
e-learning

①カテーテル関連血流感染症
(CRBSI)を防ごう!

②当院の外来抗菌薬処方状況の推移

講演①:感染制御部 
助教 小林 勇仁

講演②:薬剤部 
薬剤師 武居 幸

2 2022年
3月8日
17:30-
18:30

①動画で学ぶ手指衛生

②便培養の出し方について

講師①:感染制御部
看護師 主任 奥川 麻美

講師②:中央検査部 微生物検査室
検査技師 主査 井村 留美子

2022年度 院内定例研修会

開催日 時間 研修名 講師
1 2022年
9月13日
17:30-
18:30

①みんな聞いて!!
13B病棟手指衛生回数、高値の秘訣

②交換している?その手袋

③抗菌薬適正使用
うちの現状ってどうなのよ!?

講演①:13B病棟 看護師 
田口 久美花

講演②:感染制御部 看護師 
主任 奥川 麻美

講演③:感染制御部 薬剤師 
主査 下平 智秀

2 2023年
3月
e-learning

①東京医科大学病院の
CDI検査の現状と注意点

②血液培養検体について

③感染症ポケットガイドを活用しよう!

講演①:感染制御部 感染症科
医師 高橋 英明

講演②:中央検査部 微生物検査室 
検査技師 梅田 綾香

講演③:感染制御部 薬剤師 
主査 下平 智秀

2023年度 院内定例研修会

開催日 時間 研修名 講師
1 2023年
9月12日
17:30-
18:30

①職種カンファレンスで
不要な尿道カテーテルを減らそう!!!

②感染症対策マニュアル5版
小改訂について

講演①:13階B病棟 看護師
須藤絢音・田口 久実花

講演②:感染制御部 医師 
藤田 裕晃

2 2024年
3月12日
17:30-
18:30

看護師が行う抗菌薬適正使用

講演:東京慈恵会医科大学附属病院
医療安全管理部門 感染対策部
副部長・師長 美島 路恵

2024年度 院内定例研修会

開催日 時間 研修名 講師
1 2024年
9月10日
17:30-
18:30

明日の感染対策のために

*第1部:2つのカテーテル関連感染症を防ごう

①カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)を防ぐために 当院での現状と対策
(CAUTI : Catheter-Associated Urinary Tract Infections)

②カテーテル関連血流感染症(CRBSI)を防ぐために 当院での現状と対策
(CRBSI : Catheter-Related BloodStream Infection:CRBSI)

*第2部:血液培養のこれからを考える
有効な血液培養を実施しつつ検査ボトルの供給不足をどう乗り切る?

第1部

講演①:感染制御部 
看護師 師長 
奥川 麻美

講演②:感染制御部 感染症科
医師 講師
小林 勇仁

第2部

講演:感染制御部 感染症科
医師 助教
藤田 裕晃

2 2025年
3月11日
17:30-
18:30

日常何気なくしていること、それ感染対策上問題かも?

①白衣は白衣ボックスにちゃんと入れてる?

②白衣ポケットに入れたアルコール消毒綿は清潔でない

③ネズミ・ダニ対策はここまで進んだ

講演①:感染制御部 
看護師 師長 
奥川 麻美

講演②:中央検査部 微生物検査室 
検査技師
三浦 悠里

講演③:総務課 課長 
須田 慎二郎

2025年度 院内定例研修会

開催日 時間 研修名 講師
臨時
開催
2025年
5月27日
17:30-
18:30

緊急開催!
当院で発生したVREアウトブレイク報告

感染制御部 感染症科
医師 講師
小林 勇仁

1 2025年
9月9日
2 2026年
2月24日

③ 感染対策シミュレーション研修(ICTC:Infection Control training Course)

 生涯教育センターと共同で感染対策シミュレーション研修ICTCを開発し、標準予防策や経路別予防策の基本的な理解や個人防護具の正しい着脱などを中心に、症例を通じて実際に個人防護具を選択し着脱する研修を行っています。詳細はこちら

6. 職業感染対策

  • 人事課健康管理室と連携して、新規入職者を対象として流行性ウイルス性疾患の抗体検査および抗体基準未満の者に対してワクチン接種を実施しています。
  • 10月中旬に全職員・委託業者を対象として季節性インフルエンザワクチンの接種を行っています。
  • 当院で実習を行う学生等への流行性ウイルス性疾患の抗体検査およびワクチン接種の確認を行っています。

7. 医療連携

  • 近隣の連携医療機関との定期的なカンファレンスの開催(年4回)および各連携施設を直接訪問して感染対策に関するアドバイスを行っています。
  • 当院のほか、本学が運営する東京医科大学八王子医療センター、東京医科大学茨城医療センターの3病院による感染対策に関する会議を定期的に開催し、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師が意見交換を行っています。

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