呼吸器外科・甲状腺外科
主な検査・医療設備
マークのついている処置・検査・手術等は初回来院時には実施できません。
呼吸器外来
気管支鏡検査
肺癌をはじめとする気管支病変の診断には内視鏡検査が不可欠です。画像の鮮明な電子内視鏡を用いて年間約1500例の気管支鏡検査を行っています。この検査は以下にあげるTBLBやNBと同様に外来で受けることができます。
呼吸器外来
経気管支肺生検(TBLB)
気管支鏡で直接観察することができない肺の末梢病変の確定診断を得るための検査です。上下・左右方向から透視できるX線撮影装置と、気管支鏡を通じて挿入した処置具を使用して、病巣の組織・細胞を採取する検査で、肺癌の診断に不可欠です。
呼吸器外来
穿刺針生検(NB)
肺の末梢に生じた小病巣に対してTBLBでの検体採取が困難な場合、経皮的に細い針を穿刺して細胞を採取する方法です。細胞採取用の針は、当教室で1964年に開発した東京医大式肺生検針を使用します。本法とX線CTを併用すると、わずか5mm程の微小な癌病巣の確定診断も可能となります。
呼吸器外来
蛍光気管支鏡
蛍光内視鏡は気管支の病変と正常部の有する光特性を感知することにより、従来の気管支鏡では発見できなかった早期病変を診断します。特に喀痰細胞診で異常があった場合や肺癌の治療前の検査として高い有効性があり、多くの中心型早期肺癌が発見されています。当院ではこの検査法を日本でいち早く採用し、行っています。
呼吸器外来
光線力学的肺癌治療(PDT)
腫瘍親和性光感受性物質であるヘマトポルフィリン誘導体を投与した後、癌腫に集積したこの光感受性物質をレーザー光線で励起し、正常組織にはほとんど障害を与えず、癌細胞を選択的に障害する治療法で、世界に先駆けて当教室が肺癌治療に応用しました。太い気管支に発生した早期癌に対しては手術をしなくても、この方法のみで根治させることができます。肺機能の損失がなく、患者さんに苦痛を与えない点で、人にやさしい治療法といえます。すでに治療した症例は180例をこえ85%の完全治癒率を得ており1996年から保険採用されています。
胸腔鏡下手術
肺手術の際に大きな切開を加える代わりに、筒状の胸腔鏡を挿入して手術する方法で、創痕を小さくし、術後疼痛を軽減することができます。現在、主として、自然気胸の原因である肺嚢胞の切除や良性肺腫瘍の切除など良性疾患の治療に応用されています。また、肺癌の手術に関しても胸腔鏡を併用した低侵襲の術式を行っています。
ロボット支援下手術
2010年より国内でもいち早くロボット支援下手術を導入しております。ロボット支援手術は、術者が3D画像を見ながら手術できる点、胸腔内で自由度の高い関節のある鉗子を使用できる点、手振れが無い点などのメリットがあります。肺悪性手術(肺がん、転移性肺腫瘍)に対する肺葉切除・肺区域切除術及び縦隔腫瘍手術に対し、ロボット支援下手術を保険診療で行うことが可能です。患者さんの症状や背景、解剖学的状況や併存疾患、既往症など一人一人の状況をよく検討し、ロボット支援手術の適応を決定しています。
甲状腺外来
甲状腺エコーガイド
下穿刺細胞診
甲状腺結節の質的診断には、低侵襲な穿刺吸引細胞診が適しています。当科では、高解像度のエコーと甲状腺専用の穿刺針を用いて、確実に病変部の細胞が採れていることを確認しながら細胞診検査を行っています。このため、腺腫様甲状腺腫に合併した小さな甲状腺癌も、5mm程度の大きさであれば、確定診断をつけることが可能です。
甲状腺外来
甲状腺病変に対する
経皮的エタノール注入療法
甲状腺良性嚢胞性結節や機能性結節に対しては、エコーガイド下に病変部に無水エタノールを注入するPEITを積極的に行っています。カラードップラーを用いて、結節内に流入する血管を確認し、その周囲を狙ってPEITを行うことによって、エタノールの注入量を最小限にしています。