東京医科大学病院 TOKYO MEDICAL UNIVERSITY HOSPITAL

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03-3342-6111(代表)

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循環器内科

末梢動脈疾患(PAD)外来

外来日、場所

毎週月曜日午後 受付時間 11:00~14:30(2階内科外来)

概要

我が国では著しい高齢化の進行、生活様式の欧米化、糖尿病の増加などを背景として動脈硬化に起因する病気で悩まれる患者さんが増加しています。

動脈硬化によって足の動脈が狭窄または閉塞することにより、間歇性跛行(かんけつせいはこう: ある一定の距離を歩くとおしりや太もも~ふくらはぎに痛みが生じ、歩けなくなる。休憩するとまた歩けるようになる)や足先の冷えやしびれなどの症状が生じます。この病気は下肢閉塞性動脈硬化症と呼ばれ、日常生活が制限され、患者さんの生活の質が低下します。

この病気が進行すると、重症下肢虚血(じっとしていても足先が痛くなる、普段から足が冷たい、足の指や甲、かかとに潰瘍がある)となることがあります。場合によっては下肢の壊死から切断に至ることもあり、大変危険な状態となります。

「あぶない足の病気」(監修 横井宏佳 福岡山王病院 循環器センター, Cordis Japan社)より

当外来は上記のような下肢閉塞性動脈硬化症の患者様を専門的に診療させていただく専門外来です。循環器内科外来の中に設けられておりますが、その理由はこの病気は心臓や他の血管関連のご病気を持たれている患者さんに多くみられるためです。単に「あしの血管が狭くなる病気」として捕らえるのではなく、全身の動脈硬化のサイン(氷山の一角)としてこの病気を認識する必要があります。当外来では下肢閉塞性動脈硬化症を入り口にその患者さんの全身の動脈硬化リスク管理と治療を行うことに注力しています。

「あぶない足の病気」(監修 横井宏佳 福岡山王病院 循環器センター, Cordis Japan社)より

当外来での診断

まず、患者さんのお話をじっくり伺います。足の症状の程度や頻度などの詳細はもちろんですが、他の動脈硬化疾患や腰椎疾患などから生じる諸症状の有無なども検索します。

次に、全身の診察とABI検査を行います。とくに心血管系の触診と聴診を入念に行います。また、ABI検査で下肢血管の病気の有無を大まかに調べます。

さらに、超音波、CT/MRI検査を行い病変の部位や程度を把握します。確定診断とともに治療に必要な情報を得ることができます。

「あぶない足の病気」(監修 横井宏佳 福岡山王病院 循環器センター, Cordis Japan社)より

当外来での治療

まず、断煙・運動療法:下肢閉塞動脈硬化症をお持ちの患者さんには断煙が絶対的に必要になります。また、下肢の痛みが出現するかしないか程度の運動を定期的に行うことにより、症状の改善がある程度は見込まれますが、病状によっては十分でない場合があります。

次に、薬物療法:抗血小板剤(血液を固まりにくくする)、血管拡張剤(下肢動脈を拡張して下肢筋肉への血流を増加させる) などの内服、点滴加療を行うことがあります。禁煙や運動療法と同様に症状の改善がある程度は見込まれますが、病状によっては十分でない場合があります。

それでも、症状の改善に乏しい患者さんに対しては下記のような血行再建術(狭窄/閉塞した血管に対して直接処置を施すこと)を行います。

血行再建術には(A)血管内治療と(B)バイパス手術の二つの方法があり、患者さんの病状(間歇性跛行か重症下肢虚血か)や全身状態(年齢、心臓や腎臓などの重要臓器の状態、その他の併存症の有無など)を総合的に考慮して判断されます。

「あぶない足の病気」(監修 横井宏佳 福岡山王病院 循環器センター, Cordis Japan社)より

(A)カテーテルを用いた血管内治療(EVT: Endovascular Treatment)

この治療は動脈硬化により狭窄あるいは閉塞している四肢の動脈の一部を、体外から挿入したカテーテルと呼ばれる器具を用いてバルーンで拡げる、またステントと呼ばれるメッシュ状の金属の筒を留置することによって血管を拡げて血流を確保するものです。局所麻酔で行うことが可能で、患者さんの体への負担が少ない、術後の回復が早い、繰り返し行うことができるなどのメリットがあります。一方で、一定の確率で再狭窄(治療した部位が将来再び狭窄または閉塞してしまうこと)を生じることや抗血小板剤 (血を固まりにくくする薬剤)を長期間服用しなければならないことにより生じる出血性合併症(外傷によるものや頭蓋内、消化管からの出血)などの問題があります。

「インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス 第5版」
(監修 山科 章 東京医科大学病院循環器内科名誉教授, 荻野 均 同心臓血管外科主任教授, 企画 トーアエイヨー株式会社)より

(B)バイパス手術

いわゆる外科手術です。閉塞した血管を迂回して別の血管(自身の下肢の静脈や専用の人工血管)を人工的につなげ、血液の通り道にします。バイパス手術は全身麻酔のもとで血管外科医が行います。本治療は上記血管内治療と比べて、将来の追加治療を要する可能性が低い、病変が関節部などの本治療が不向きな場所に存在する場合でも治療可能である、などの利点があります。一方、傷跡が残る、全身麻酔に耐えられる体力が求められる、入院期間が長くなる、などの欠点があります。この治療は当院の心臓血管外科が担当します。

患者さんへ

歩くと足が痛い(休むとなおる)、足先が冷えるなどでお困り方はぜひ当外来をご利用ください。

受診方法

  1. 既になんらかのご病気で当院に通院されている患者さん(当院の診察カードをお持ちの方)は現在の担当医に当外来の受診希望の旨をお伝え下さい。
  2. 現在まで当院を受診されたことがない患者さん(当院の診察カードをお持ちでない方)は現在通院中の医療機関(特にない場合はご近隣のクリニックなどでも可)に当外来宛ての情報提供書(紹介状)を作成してもらい、当日ご持参下さい。

※受診方法・時間の詳細は「外来入院案内」のページをご覧下さい。

※ご予約なしでも受診可能です。直接当院2階の内科外来受付までお越しのうえ当外来に受診希望の旨をお伝え下さい。まずはじっくりお話を聞かせていただくことから始めさせていただきます。

実地医家の先生方へ

毎週月曜日午後に循環器内科外来の中の専門外来として末梢動脈疾患 (PAD) 外来を開設しております。下肢閉塞性動脈硬化症やその他末梢動脈疾患でお困りの患者さんがいらっしゃればぜひご紹介ください(医療連携担当 03-5339-3808)。専門家として適切かつ丁寧にご対応することをお約束いたします。必要であれば心臓血管外科や形成外科と連携し治療を進めてまいります。ご紹介方法の詳細は「医療連携について」のページをご参照下さい。

担当医:循環器内科 村田 直隆(むらた なおたか)

東京医科大学 循環器内科HP

文中の図や写真は「インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス 第5版」(監修 山科 章 東京医科大学病院循環器内科名誉教授, 荻野 均 同心臓血管外科主任教授, 企画 トーアエイヨー株式会社) 、「あぶない足の病気」(監修 横井宏佳 福岡山王病院 循環器センター, Cordis Japan社)から著作権者の許可を得て転載しています。

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