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不整脈センター

不整脈研修プログラム

当センターでは、不整脈診療を学びたい医師や医療従事者向けに、不整脈の研修プログラムを設けています。 治療手技を見学いただく、数日から1週間程度の短期プログラムから、技術の習得を目指す1年単位の長期プログラムがあります。

短期プログラム

カテーテル検査室でのアブレーション手術やデバイス植え込み手術を間近で見学していただきます。

長期プログラム

当センターのスタッフとなっていただき、実際に患者さんの診療に当たります。指導医のもとで、2年間で基本的なカテーテルアブレーション手技、心臓植え込み型デバイスの植え込み手技や管理方法を研修します。
臨床研究のテーマを与えられ、学会発表や論文執筆のノウハウを指導します。
興味のある方は下記の連絡先まで是非ご連絡ください。
連絡先 tmuarrhythmia@gmail.com 担当:里見

診療実績
エキスパートによる技術指導

体験記:国内留学を終えて

高崎総合医療センター 循環器内科 小林紘生

 2015年4月から2017年3月までの2年間、東京医科大学循環器内科の不整脈班で勉強させて頂きました。里見先生、不整脈班の先生方はもちろんですが、山科前主任教授、近森主任教授をはじめとした循環器内科の先生方にも温かく迎えて頂き、心身ともに充実した2年間となりました。この場を借りて御礼申し上げます。

 東京医大での研修は、私が初心者であったこともあり、始めの数ヶ月はラボに入り電位を読み、教科書を読んで復習をしてといった毎日でした。東京医大本院・八王子の分院などでアブレーションに入っていましたが、里見先生の手技を近くでみて過ごしたこの時期の経験は大きな財産となっています。2016年に入ってからは本院の不整脈班の一員として手技や外来に明け暮れる毎日となりました。2016年1月から2017年3月までの間に、アブレーションを術者として50件(心房細動 30件・心房粗動/心房頻拍 5件・発作性上室性頻拍 11件・心室期外収縮/心室頻拍 4件)、デバイスを術者として38件(新規植え込み 30件・交換 8件)を経験することができました。

 また、東京医大では学会発表も積極的の行なっており、多くの先生が循環器学会の総会や海外の学会に発表されています。私も発表の機会を多く頂き、循環器学会の総会やESCで発表する機会にも恵まれました。学会発表に不慣れな私でありましたが、不整脈班の先生方に助けて頂くことで貴重な経験をさせて頂きました。

 最後になりますが、東京医大での2年間は本当にあっという間で、もっとここで働いていたいと思わせてくれる魅力ある職場でした。東京医大での経験を生かして、今後も不整脈医として研鑽を積んでいきたいと思います。

(2018年2月14日更新)

体験記:国外留学体験記

ベルギー留学記
東京医科大学病院 不整脈センター 寺澤 無量

Fellow of Postgraduate in Cardiac Electrophysiology and Pacing - VUB
Heart Rhythm Management Centre, Cardiovascular Department

 ブリュッセルではようやく寒さが緩和するとともに日照時間が伸び、春の訪れを感じ始めています。

 この度本当にたくさんの方にご尽力をいただき、2017年9月からベルギー王国の首都ブリュッセルにあります、ブリュッセル自由大学病院のハートリズムマネージメントセンター(HRMC)にフェローとして留学させて頂いております。

 ベルギー王国の人口は1100万人と東京よりも少なく、面積も九州ほどの大きさもないそうです。食べ物の文化はフランスの影響を受けており美食の国として知られ、ビールの種類は世界一と言われています。ベルギーの公用語はオランダ語・フランス語(一部ドイツ語)で、北部はオランダ語、南部はフランス語と大別されております。ベルギーの方は公用語の2ヶ国語に加え英語を話すのが標準だそうで、私としてはこの類稀なる言語環境を羨ましく思っています。ただその一方で過去には言語闘争が続いていた経緯があり、ブリュッセル自由大学はその言語対立の影響を受け、1969年にオランダ語Vrije Universiteit Brussel(オランダ語)とUniversite Libre de Bruxelles(フランス語)に分裂されました。私はオランダ語圏の方でありますVrije Universiteit Brusselに留学しています。

 渡欧してから、決めた住居の洗濯機や冷蔵庫が入居後すぐに壊れたり、車のバッテリーが上がったり、駐車中に後方からぶつけられ警察沙汰になったり、苦労が絶えませんでした。また決まった時間に出発しないこう公共交通機関、電車やバスでのベビーカーや子供に対する寛容さ、公共交通機関や週末や休暇に対するモチベーション、医療に関しても麻酔や疼痛に関する考え方など違った文化に触れることで、日本の文化を再認識することが出来ています。

 ブルガダ症候群を報告したことで有名なPedro Brugada教授が渡欧1ヶ月で退官され、現在はCarlo de Asmundis教授とGian Battisia Chierchia教授に師事しております。フェローはヨーロッパを始め様々な国から集まっており、現在はイタリア人、スペイン人、ギリシャ人、メキシコ人が同僚として一緒に働いています。

 ベルギー王国で医療に従事するためにはある程度のオランダ語能力が求められるため、私もオランダ語学校に4ヶ月ほど通いました。語学学校では教室での授業だけでなく、オランダ語圏にあるリサイクルショップ、図書館、博物館などでの課外授業も多く、より実践的なものでした。実際には授業についていくのがやっとでしたが、隣の席の親切なブラジル人に支えられ、なんとか卒業することができました。

 さてHRMCでの生活ですが、フェローはカテーテル室でEPSやアブレーションに従事します。朝は8時過ぎにpunctureが始まり、アブレーションが2〜3件(SVT、His、ISNT、AFクライオバルーン、AF再発例、AT、特発性VT、器質的心疾患に伴うVT、Brugada症候群など)に加えて、EPSが3〜4件ですが、17時までにはしっかり手技を終わらせafter fiveを楽しむのはさすがです。ただし多い時にはクライオバルーンだけで5件ほど行うなどかなりaggressiveな環境です。このような大変な環境が故に、フェロー同士は助け合い、堅い絆で結ばれているのだと思っています。

 また徐脈治療に関してもフェローが行います。実際にはLoop recorder、Pacemaker、ICD、CRTなどのデバイス管理を行っています。そのため病棟や外来、ER、ICU、CCUに呼ばれるのですが、赴任当初は場所が分からず、通りがかりの職員に聞きながら向かったのを覚えています。

 私はまだ医療許可が取得できていないので、現状はStimulaterで検査や治療のお手伝いをしております。現在は申請中で、この後医療許可が下りれば、本当の意味でのClinical fellowとしての留学が始まります。このような貴重な経験をする機会を頂いた里見先生、矢崎先生を始めとしてご尽力頂いた方々すべてに感謝し、これからも精一杯もがいてきます。

 2018年2月

病院を駐車場から撮影した写真です

前々任の齋藤先生(写真左)、前任の寳田先生(写真真ん中)とUZ brusselの正面玄関の前にて

新年会での写真です。深夜までダンスを踊りました。

この半年で去っていく仲間の送別もありました。

オランダ語学校の修了時にパーティーした際の写真です。生徒のほとんどがベルギー国外から様々な理由でベルギーに移住し、職を得るため学んでいました。

ブリュッセルの中心部に位置し、世界で最も美しい広場として知られる夜のグランプラスです。1998年に世界遺産にも登録されています。

週末は隣国にも気軽に旅行に行けますが、ベルギー国内でも多彩なイベントが開催されています。こちらはゲントで3年に1度行われる"Light festival"の写真です。建物がプロジェクトマッピングされるだけでなく、実際に炎まで演出され、見応えがありました。

(2018年4月11日更新)

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