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アレルギーセンター

対応疾患

呼吸器内科

気管支喘息

気管支喘息は気管支に慢性の炎症が起きる疾患です。通常、この炎症は、風邪やストレスなどの悪化因子により増強し、呼吸困難、喘鳴、咳などの呼吸器症状を誘発します。炎症の程度によっては、喘息発作と言われるような、強い症状をとることもあり、時に入院治療が必要となることもあります。喘息発作になった場合、ステロイドの点滴や内服を主体とした治療が行われますが、ステロイドの点滴や内服は、糖尿病や骨粗鬆症などの様々な合併症を誘発します。また、喘息発作を繰り返すと、呼吸機能が低下していき、喘息が重症化していくことも知られています。このため、喘息発作を抑えて、ステロイドの点滴や内服をしないことが、喘息の管理ではとても重要です。喘息発作を抑えるには、普段から気管支の炎症を抑えていくことが大切で、薬物治療では、吸入ステロイドを定期的に使用していくことが重要になります。他、重症度により気管支拡張薬などの薬剤が追加されていきますが、吸入ステロイドや気管支拡張薬でも喘息発作が抑えられない重症喘息の患者さんには、分子標的治療薬が用いられることがあります。分子標的治療薬は、サイトカインなどの炎症に関与するタンパク質の作用をブロックする薬剤で、重症喘息の患者さんにも、高い効果があります。一方で、喘息は多様な疾患であり、いろいろなタイプの喘息患者さんがいらっしゃいます。特に、重症喘息の治療においては、喘息のタイプによって効果がある薬剤が変わるため、喘息のタイプを見極めることが重要です。当院では、病歴、血液検査、呼吸機能検査から喘息の状態やタイプを評価し、分子標的治療薬の効果が期待できる患者さんには、適切な薬剤の導入を積極的に行っています。

好酸球性肺炎

好酸球性肺炎は白血球の一種である好酸球が肺に浸潤し炎症を起こす疾患です。呼吸困難や咳などの呼吸器症状を認め、胸部X線写真やCTでは、好酸球による炎症が、肺炎像として確認できます。好酸球性肺炎には、1週間以内の経過で急性発症する急性好酸球性肺炎と慢性に経過する慢性好酸球性肺炎があります。急性好酸球性肺炎は原因不明のこともありますが、喫煙や薬剤が原因で発症することが知られており、多くは一過性です。一方、慢性好酸球性肺炎は、気管支炎喘息などのアレルギー性疾患を合併することが多く、改善と悪化を繰り返すことがあります。いずれも、基本的には治療はステロイド投与になります。好酸球性肺炎の診断には、気管支鏡検査で好酸球が肺内で炎症を起こしていることを確認するが重要です。当院でも積極的に気管支鏡検査を行い、診断をしています。

アレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)

アレルギー性気管支肺真菌症は、気管支に腐生した真菌に対するアレルギーで起きる疾患です。喘息症状の他、気管支内に粘液栓(硬い気道分泌部の塊)ができ、気管支拡張を認めることがあります。血液検査では、真菌に対する特異的IgEやIgGが陽性になる他、末梢血好酸球数や血清IgEの上昇を認めます。治療は、ステロイドや抗真菌薬の投与になりますが、通常の気管支喘息として治療されていることも多く、本疾患が疑われる患者さんには、積極的に診断を行っていくことが重要です。診断には、血液検査、胸部CTや培養検査の他、気管支鏡検査が必要な場合もあります。当院でも、早期診断から適切な治療につながるよう取り組んでいます。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は、細い血管に炎症が起きる自己免疫性疾患の一つです。通常、気管支喘息、アレルギー性鼻炎や好酸球性副鼻腔炎を持つ患者さんに発症します。肺、皮膚や神経など様々な臓器の血管に炎症を起こすため、症状も多彩で、呼吸困難、皮疹、しびれ、発熱、体重減少など多岐にわたります。血液検査では、末梢血好酸球が著増し、時にMPO-ANCAという自己抗体が陽性になります。診断は、これらの臨床症状、血液検査の他、病変部位から採取された病理学的検査などによって行われます。治療にはステロイド、免疫抑制剤や分子標的治療薬(メポリズマブ)が用いられ、末梢神経障害が残存する患者さんには、大量ガンマグロブリン療法が行われることがあります。早期診断からの適切な治療導入が重要ですが、病変が多臓器にわたることも多く、複数の診療科が連携することが重要です。当院でも、様々な診療科が積極的に関与し、早期診断・早期治療につながるよう努めています。

小児科・思春期科

現在食物アレルギーをはじめとして、アレルギー疾患は増加の一途をたどっています。当科では食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎・結膜炎を中心にアレルギー疾患全般に対する診察、治療を行っています。当院では、アレルギー専門医、日本小児臨床アレルギー学会認定小児アレルギーエデュケーター(Pediatric Allergy Educator; PAE)・日本アレルギー学会認定アレルギー疾患療養指導士(Clinical Allergy Instructor; CAI)である薬剤師、看護師、CAIである栄養士が常駐しており、お子さんの症状に合わせたトータル的な専門的治療を受けることが可能です。アレルギー診療において重要なことは、正しい診断とそれに基づいた治療と考え、各疾患のガイドラインのもと、日本アレルギー学会専門医が日常生活でのアドバイスを含め、ご家族に寄り添った診療を行っています。

食物アレルギー

食物アレルギーは「必要最低限の除去」が大切です。診断・治療には「食物経口負荷試験(oral food challenge; OFC)」が不可欠であり、適切な指導を行うことが寛解にむけて重要です。一般的なIgE依存性の食物アレルギーだけではなく、「新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症(non-IgE-mediated gastrointestinal food allergies; non-IgE-GIFAs)」といった診断・治療に苦慮するケースも増加の一途をたどっています。また、多抗原に対しての食物アレルギー患児への対応やアナフィラキシーの既往がある児への対応に苦慮することも多いと思われます。さらに、果物や野菜などの口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome; OAS)や花粉と関連する食物アレルギー(pollen-food allergy syndrome; PFAS)も増加傾向であります。こういった多様化する食物アレルギーに対する診断・治療に難渋するケースも増えてきています。食物アレルギーガイドラインにもあるように、専門医で行う必要があるOFCをはじめ、一般医療機関でOFC実施に不安があるケースに対しOFCを実施し結果に応じた今後の対応方法の指導を、アレルギー専門医やCAI資格を持つ栄養士、PAE・CAI資格を持つ看護師などが行います。ご家族の不安の軽減に努め、安心安全な生活向上に向けた指導を心掛けています。

かかりつけ医の役割は、食物経口負荷試験後、継続的な経過を診ていくこと、症状が出現した際も対応いただく必要があります。ガイドラインで示されている通り、OFCは段階を踏んで実施していくことが必要であり、症状出現において適切な対応を速やかに実施できることが前提条件となっています。OFCの実施も含めたプランニングやご希望に応じた数か月に1回程度の当院での定期受診も可能です。食物アレルギーは児も含めた家族のQOL向上に直結するため、かかりつけ医とともに寛解へ向け一緒に携わっていくことが重要となります。

●食物経口負荷試験実施件数
2021年:88件 2022年:75件 2023年:105件
  (2021年、2022年はコロナ禍のため入院制限)

食物依存性運動誘発アナフィラキシー:FDEIA(food-dependent exercise induced anaphylaxis)

特定の食物(うどんやパンなどの小麦食品、エビなどの甲殻類、オレンジなどの果物など)を摂取後の運動によって誘発されるアナフィラキシーを示す児に対して診断および治療を行います。

まず、食物負荷試験で症状出現有無を確認します。その後、原因と考えられる食物を摂取後に行う運動負荷単独の検査、必要に応じ、誘発試験(原因と考えられる食物を摂取し、症状誘発率を上げるためにアスピリン内服下で実施する運動負荷試験)を行います。

喘鳴をきたす疾患:気管支喘息、喉頭軟化症、気管軟化症

当科では気管支喘息のお子さんが日常生活の制限がなく、喘息のないお子さん方と同じ様に生活が送れることを目標に治療を行っています。 喘息の治療は発作時の治療と、日常の予防治療に大きく分けられ、血液検査、呼吸機能検査、呼気NO検査、ピークフローモニター、喘息日記などを用い、お子さんに合ったレベルの治療、管理を入院・外来を問わず行っています。また、喘息のコントロールが悪いお子さんの中には、吸入がきちんと行えていない方も少なくありません。当院では薬剤師による吸入指導も行っています。また、長引く乳児喘鳴をきたす疾患には、喘息性気管支炎や乳児喘息の他に喉頭軟化症や気管軟化症があります。当科は気管支鏡スペシャリストによる気管支鏡検査を実施し、検査の結果及び症状に応じた治療(適切なデバイスを用いた呼吸器治療、薬物療法)を行うことが可能です。気管支喘息の診断・治療、長引く喘鳴で診断や治療に悩んでいる方はぜひご相談ください。

アトピー性皮膚炎

正しい診断に基づく適切な治療方法(外用療法やスキンケア指導)を行っています。外来治療で改善に乏しいアトピー性皮膚炎の児は、入院による集中治療が効果的であり実施しています。児の肌の状況を親子で確認し、児にとって適切な治療薬を選択し、正しいスキンケア方法を児と保護者の方に学んでいただき、自宅で継続的に実践できるよう、アレルギー専門医やPAE・CAI資格を持つ薬剤師や看護師が丁寧に指導します。また、治療に難渋している児を対象とした新しい注射治療薬(生物学的製剤:デュピクセント®)にも対応しています。児の症状に合わせ、皮膚科とも協力し治療を行っております。

アレルギー性鼻炎・結膜炎

近年、アレルギー性鼻炎や結膜炎のお子さんも増加の一途をたどっています。当科では、お子さんの症状に合わせ、各種薬物治療や舌下免疫療法(スギ、ダニ)を行っております。また、重症例などは耳鼻咽喉科や眼科とも連携し治療を進めていきます。

その他

IgG4関連疾患、蕁麻疹様血管炎、自己炎症疾患、自己免疫疾患・膠原病、血管炎症候群などの診察は、リウマチ専門医が対応いたします。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎に対する薬物療法として、アレルゲン免疫療法(舌下・皮下免疫療法)やオマリズマブ(商品名:ゾレア®)などの生物学的製剤による治療を行っています。また、鼻の中を生理食塩水で洗う鼻洗浄についても指導しております。

鼻づまりが強い場合には手術加療も行っており、鼻の通りをまっすぐにする鼻中隔矯正術、鼻の通りを改善する下鼻甲介切除術、および鼻水とクシャミを制御するための経鼻腔的翼突管神経切除術(通称:後鼻神経切断術)が含まれます。2023年は、鼻中隔矯正術が74件、下鼻甲介切除術が107件、後鼻神経切断術が14件となっております。特に後鼻神経切断術においては、改善率向上と合併症の頻度低減のために全身麻酔下で丁寧な手術が行われています。重症アレルギー性鼻炎にお悩みの方は、ぜひ当科にご相談ください。

好酸球性副鼻腔炎

難治性の好酸球性副鼻腔炎は喘息に伴いやすい疾患であるため、呼吸器内科との連携を強化し診療にあたっています。再発が多い病気ですが、早期の治療で嗅覚などの障害が治りやすいとされており、手術加療を積極的に行い、再発時には術後投与が可能になる生物学的製剤デュピルマブ(商品名:デュピクセント®)などの最新治療も行っています。
内視鏡下副鼻腔手術は、2023年に160件行っています。
また、2024年8月から既存の治療で改善しない鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対して生物学的製剤メポリズマブ(商品名:ヌーカラ®)も保険適応になり当施設でも実施しています。

耳鼻咽喉科のアレルギー外来は、毎週木曜日の午後に行っています。紹介状持参の方は、まずは初診外来受診後にアレルギー外来への受診となりますので、外来受付にお問い合わせください。アレルギー外来に直接受診を希望される場合は、医療機関からの連携を通してのご予約をお願いいたします。

皮膚科

アトピー性皮膚炎

日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎ガイドラインに従って治療を行っています。治療は外用薬については顔面・頸部はタクロリムス軟膏(商品名:プロトピック軟膏®)やmild クラスのステロイド軟膏(商品名:ロコイド軟膏®やキンダベート軟膏®)を中心に使用し、症状に合わせてこれらの軟膏の間歇療法を行っています。体幹・四肢は皮膚の症状によりますが、ステロイド軟膏と保湿剤を中心に治療しています。例えば、厚さのある病変についてはvery strongクラス(商品名:アンテベート軟膏®、マイザー軟膏®等)で治療を開始し、症状の軽快とともにstrongクラス(商品名:メサデルムクリーム®、リンデロンVG 軟膏®等)に切り替え、プロアクティブ療法(週1-2回外用する治療方法)を積極的に導入し、悪化を未然に防げるように指導します。また、十分に外用できていない患者様には、看護師による塗り方指導を行っています。外用療法で改善がみられない場合、免疫抑制薬(商品名:ネオーラル®)を一時的に服用し、またナローバンドUVBを用いた紫外線療法も行っています。さらに、重症例に関しては生物学製剤(商品名:デュピクセント®、アドトラーザ®、ミチーガ®)やJAK阻害薬(商品名:オルミエント®、サイバインコ®、リンヴォック®)を使います。高い効果を認めますが、それぞれの薬でいくつかの注意点があります。担当医と相談しながら治療方針を決めます。デュピクセント®、ミチーガ®は在宅自己注射が可能なため、通院回数を減らすことができます。

最近、外用剤でも新薬が登場しました。JAK阻害薬軟膏(商品名:コレクチム®)はステロイドとは異なる免疫を抑制する薬剤が入った軟膏です。生後6か月のお子さんから使用可能です。生後3か月から使用可能なPDE4阻害薬(商品名:モイゼルト®)という新しい外用薬も2022年から治療に使えるようになりました。この軟膏もステロイドは入っておらず、マイルドに炎症を止めるため、軽症なアトピー性皮膚炎の方に適しております。

  • 伊藤友章. JAK阻害薬使用時の事前検査,定期的検査項目を教えてください.J Visual Dermatol, 2024
  • 伊藤ら、東京医科大学病院皮膚科でデュピルマブによる治療を行ったアトピー性皮膚炎患者201例の統計 アレルギー. 2023
  • Okubo Y, et al Patient and physician preferences for atopic dermatitis injection treatments in Japan. J Dermatolog Treat. 2020
  • Numata T,et. al. Correlation of the clinical severity of atopic dermatitis with ocular comorbidities. J Cutan Immunol Allergy. 2020

接触皮膚炎

接触皮膚炎は、(1)刺激性接触皮膚炎、(2)アレルギー性接触皮膚炎、(3)光接触皮膚炎(光毒性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎)、(4)全身性接触皮膚炎・接触皮膚炎症候群、(付)接触蕁麻疹に分類されます。このうち、アレルギー性接触皮膚炎は、特定の原因物質(化粧品、外用薬、植物、金属など)との接触により引き起こされるアレルギー・免疫応答により生じる皮膚炎です。当院では、これらアレルギー・免疫機序を介した接触皮膚炎の原因を精査する目的で、詳しい問診を確認したのちに、パッチテスト、プリックテスト、光照射試験などの皮膚テストを行っています。当院は日本接触皮膚炎研究班(JCDRG)所属施設であり、パッチテストでは金属シリーズ、ジャパニーズベースラインシリーズに加え、可能であれば資材を取り寄せ、成分パッチテストも施行しています。

  • Numata T, et. al. Two cases of allergic contact dermatitis due to skin-whitening cosmetics. Allergol Int. 2015.
  • Numata T, et. al. Allergic contact dermatitis caused by adapalene. Contact Dermatitis. 2015.
  • Numata T, et. al. Contact dermatitis caused by arbutin contained in skin-whitening cosmetics. Contact Dermatitis. 2016.
  • Numata T, et. al. Allergic contact dermatitis caused by isopropyl lauroyl sarcosinate. Contact Dermatitis. 2019.

蕁麻疹

蕁麻疹の中で最も多いのは、慢性特発性蕁麻疹です。6週間以上連日のみみずばれができ、日常生活に影響します。当科の治療方針は、第二世代抗ヒスタミン薬(商品名:ビラノア®、ルパフィン®、デザレックス®等)とロイコトリエン拮抗薬(商品名:キプレス®)とヒスタミンH2受容体拮抗薬(商品名:ガスター®)の3剤からはじめます。効果不十分な場合は、オマリズマブ(商品名:ゾレア®)を月1回皮下注射します。なおオマリズマブは、在宅自己注射が可能なため、通院回数を減らすことができます。またコリン性蕁麻疹、日光蕁麻疹、特発性後天性全身性無汗症(AIGA)などの検査・治療も行っております。AIGA疑いの場合は、入院加療となります。
2024年2月に、デュピクセント®が、慢性特発性蕁麻疹に追加承認されました。

  • 伊藤ら、慢性特発性蕁麻疹に対するオマリズマブ投与患者105例の検討 日臨皮会誌,2021
  • Kobayashi T et.al. Two cases of acquired idiopathic generalized anhidrosis successfully treated by steroid pulse therapy. J Dermatol. 2014
  • Iwasaki A, et.al. A case of cholinergic urticaria with localized hypohidrosis showing sweat gland eosinophilic infiltration. Allergol Int. 2017

成人の食物アレルギー

近年、成人食物アレルギーの患者さんが大変増えております。花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)や小麦アレルギー(小麦運動誘発性アナフィラキシーを含む)やアニサキスアレルギーの患者さんが目立ちます。原因食品を同定するために血液検査やアレルギー皮膚テスト(プリックテスト)を行っています。未知なアレルゲンの場合は、当科の研究室で原因抗原を同定します。診断のついた患者さんには、アドレナリン自己注射製剤 (商品名:エピペン®)の処方と生活指導を行っています。当院は、アナフィラキシーショックで救命救急センターへ搬送された患者さんの原因究明と生活指導を行っております。また、食物以外の即時型アレルギーも対応いたします。

  • 城ら、東京医科大学病院皮膚科で診断したアナフィラキシー症例の統計 アレルギー. 2019
  • 小林ら、都市部の救命救急センターに搬送されたアナフィラキシー症例の検討 日臨救急医会誌. 2020
  • 瀬下ら、ゼラチン貼付剤でアナフィラキシーショックを生じた1例 皮膚科の臨床 2022
  • 小林ら、緑豆もやしによるアレルギーの2例 アレルギー 2023
  • Numata T, et. al. A case of oral allergy syndrome due to star fruit sensitized from atopic hands. Allergol Int. 2015
  • Kobayashi T, et.al, A case of contact urticaria inducing anaphylaxis due to liliaceae vegetables in a hand eczema patient. Allergol Int. 2015
  • Kobayashi T, et.al. Eighteen cases of wheat allergy and wheat-dependent exercise-induced urticaria/anaphylaxis sensitized by hydrolyzed wheat protein in soap. Int J Dermatol. 2015
  • Jo R, et.al. A case of immediate type of food allergy due to parvalbumin from soft-shelled turtle (Trionychidae) occurring in the working environment. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2016
  • Numata T, et.al. Acetaminophen anaphylaxis diagnosed by skin prick test. Allergol Int. 2016
  • Kobayashi T, et. Al. A case of anaphylaxis due to alpha-mannosidase from Auricularia. Allergol Int. 2019
  • Abe N, et. al. A case of anaphylaxis due to fish collagen in a gummy candy. Allergol Int. 2020
  • Ito T, et. al. A case of food allergy due to three different mushroom species. Allergol Int. 2020
  • Seshimo H, et.al. A case of anaphylactic shock induced by mealworm antigen in the bite of a Japanese flying squirrel. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2021

皮膚肥満細胞症

皮膚肥満細胞症は、肥満細胞が増殖する疾患です。小児例が多いですが、成人例もあります。皮膚が茶色のしみになる場合、かたまりを認める場合、水疱を認める場合と様々です。病変部を擦るとみみずばれが生じ(ダリエー徴候)、診断時に有用です。当科では、WHOの診断基準に従っております。病変部の皮膚を2か所採取し、病理検査と東京医科大学倫理委員会で承認された遺伝子検査を行います。遺伝子変異を認めた場合は、小児科や内科と併診し多臓器病変を確認します。皮膚肥満細胞症の治療薬は現在ありません。しかし、小児の場合は自然治癒することが多いです。一方、成人例の場合は、自然治癒はしませんので、定期的な受診が必要です。症例によって対応方法が異なります。アナフィラキシーショックが生じるケースもあるので、患者さんの症状にあった治療をいたします。

  • 伊藤友章,色素性蕁麻疹 皮膚疾患最新の治療2019-2020 南江堂 2019
  • 瀬下ら,黄白色調結節を呈したmastocytomaの1例 臨皮 2021
  • 星野ら、小児に生じたDiffuse cutaneous mastocytosisの1例 アレルギー 2022
  • 伊藤友章, 肥満細胞症の発症メカニズムと分類と診断 臨床免疫・アレルギー科 2023
  • 伊藤友章. 臨床免疫・アレルギー科編集委員会. 2023: 536-541.
  • 瀬下治孝,. 肥満細胞症のダーモスコピー像 皮膚科編集委員会 編 2023: 592-597
  • 伊藤友章. 皮膚肥満細胞症 : 最近のトピックスの紹介. 皮膚科編集委員会 編 2023: 523-530
  • 伊藤友章. WHO血液腫瘍分類とInternational Consensus Classification (ICC) 2022による肥満細胞症の解説と皮膚肥満細胞症の診断方法. 皮膚科編集委員会 編 2023: 602-606
  • 石黒暁寛, 非特異的な臨床像を呈する小児皮膚肥満細胞症. 皮膚科編集委員会 編 2023: 546-549
  • 深浦彰子KIT 遺伝子変異(Asp419del)が検出された斑状丘疹状肥満細胞症の 1 例.アレルギー.2024
  • Ito T, et. al. A case of Japanese pediatric cutaneous mastocytosis with disparate clinical classifications of maculopapular cutaneous mastocytosis and mastocytoma, J Cutan Immunol Allergy, 2020

眼科

アトピー性皮膚炎眼合併症(アトピー眼症)

眼科は、眼科専門医3名が診療にあたっています。当科において最も多いアレルギー疾患は、アトピー性皮膚炎です。アトピー性皮膚炎の眼合併症(アトピー眼症)は、アトピー性角結膜炎、眼瞼炎、円錐角膜、アトピー白内障、水晶体偏位、眼内レンズ偏位、網膜剥離など多岐にわたり、重篤な視機能障害をきたすこと、難治性であることも少なくありません。以前から皮膚科とアトピー眼症につき共同研究し、診療の連携をとってきており、多数のアトピー性皮膚炎の患者を診療しています。網膜硝子体の専門的な知識を要することも多く、診療にあたっている医師は、網膜硝子体学会会員で、手術治療も積極的に行っています。またアレルギー学会、アレルギー眼学会にも所属しています。

円錐角膜はコンタクトレンズ矯正が重要で、コンタクトレンズ外来で対応しています。
近年アトピー性皮膚炎に対して、IL-4/IL-13抗体製剤が皮膚科で使用されていますが、IL-4/IL-13抗体製剤による眼科関連合併症の存在が知られています。当院皮膚科のIL-4/IL-13抗体製剤の使用数が全国でも上位であるため、眼科も診療することにより、眼合併症の減少に貢献しています。またそれに伴って、IL-4/IL-13抗体製剤で治療中のアトピー性皮膚炎の眼治療経験も豊富です。

  • Yamamoto K, et. al. Goto H. Recent trends of ocular complications in patients with atopic dermatitis. Jpn J Ophthalmol. 2019

アレルギー性結膜炎

大変頻度の高い疾患です。患者の掻痒など眼不快感は高度のため、点眼治療は重要です。誤った用法で処方や点眼治療されていることも多く、眼科における点眼指導や処方は重要です。

春季カタル

結膜の増殖性変化がみられるアレルギー性結膜疾患です。アトピー性皮膚炎や気管支喘息を合併することもあります。抗アレルギー剤や免疫抑制剤で治療を行います。

巨大乳頭結膜炎

コンタクトレンズ、義眼、手術用縫合糸の刺激などによって起こることが多く、原因をよく検索して治療します。

薬疹による眼合併症

眼瞼や角結膜の所見は多彩であり、皮膚科、内科などと協力して眼科専門医が治療にあたります。

ステロイド眼合併症

ステロイド全身投与を行う疾患は多数ありますが、白内障や緑内障などステロイド眼合併症をきたすことは稀ではありません。アレルギー疾患にもステロイド全身投与を行うことがありますが、そのようなアレルギー疾患にステロイド眼合併症の頻度も高く、眼科専門医による診療は重要ですので、他科と連携して治療にあたっています。

*「シックハウス症候群」「化学物質過敏症」の診断および治療は行っておりません。

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