臨床工学部
概要
中央管理業務を中心としていた頃と比べ、現在の臨床工学部は臨床業務の割合が増えてきましたが、院内で医療機器を安全に使用することが私たち臨床工学技士の責務であり、輸液ポンプ・シリンジポンプなどの日常点検管理件数は年間40,000件を超えます。医療機器の保守点検に関する計画と実施はもちろん、常に安全使用できるよう情報の収集、研修の実施をして、院内に清潔で安全な医療機器の提供をしています。また、医師・看護師を対象に医療機器研修を積極的に実施しています。
スタッフ構成
- 臨床工学部部長
中澤 弘一 特任教授 集中治療部部長 - 技士長
山田 眞由美
日曜・祝日においても日勤・夜勤体制を敷いており、入院患者の急変や人工心肺を用いた緊急手術、心血管カテーテル治療にも迅速に対応しています。
技士長 | 1名 |
---|---|
主査 | 9名 |
臨床工学技士 | 15名 |
委託業者 | 8名 |
計 | 33名 |
(2024年7月現在) |
所有認定資格
- 体外循環技術認定士
- 透析技術認定士
- 透析液安全管理責任者
- 水質管理責任者
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 呼吸治療専門臨床工学技士
- 認定集中治療関連臨床工学技士
- 臨床ME専門認定士
- 第1種ME技術実力検定試験
- 第2種ME技術実力検定試験
- FCCSプロバイダー・インストラクター
- 認定ホスピタルエンジニア
- 看護師
- 臨床検査技師
(2022年11月現在)
[研修]
- 各医療機器メンテナンス講習
- 臨床工学技士の業務範囲追加に伴う厚生労働大臣指定による研修(告示研修)
業務内容
臨床工学技士は、人工呼吸器や人工心肺装置などの生命維持管理装置の操作・保守、その他の医療機器の管理・保守を担っており、年々高度化を増す医療機器の知識・技術の習得に邁進しています。さまざまな医療機器を通じて、質の高い医療の提供に取り組んでいます。
(1)呼吸治療業務
呼吸治療業務では、人工呼吸器や高流量酸素療法デバイスの操作、管理、トラブル対応、保守を行っています。また、医師・看護師・理学療法士と連携して呼吸サポートチームとして活動し、週に一度回診を行っており、呼吸治療の質の向上に努めています。
(2)人工心肺・手術室業務
人工心肺業務では、開心術などにおける人工心肺装置、心筋保護液供給装置の操作を行っています。人工心肺業務以外の手術室業務としては、麻酔器の点検、術中モニタリングやナビゲーションシステムの操作、レーザー装置の操作、その他医療機器のトラブル対応などを行っています。
(3)血液浄化業務
血液浄化業務では、腎不全に対する血液透析療法(HD,OHDF,IHDF)の他、腎疾患以外への特殊血液浄化療法(PE,DFPP,PA,LDL-A,G-CAP,L-CAP,CART)を行っています。
(4)集中治療業務
人工呼吸器、持続的血液濾過透析療法、特殊血液浄化療法(PE,PA,DHP)、補助循環(VA ECMO,VV ECMO,IABP,IMPELLA)などの操作、管理、トラブル対応、保守を主に行っています。
(5)心血管カテーテル業務
心血管カテーテル業務では、カテーテル治療に欠かせないポリグラフ、血管内画像診断装置などの操作、モニタリングを行っています。カテーテル室での業務の他、ハイブリッド手術室において経カテーテル的大動脈弁術(TAVI)、経皮的僧帽弁クリップ術(MitraClip)、経カテーテル左心耳閉鎖術(Watchman)にも携わっています。
(6)医療機器管理業務
当院では医療機器の中央管理体制を1986年からスタートしており歴史があります。医療機器管理業務では、シリンジポンプ、輸液ポンプ、生体情報モニタ、除細動器、経腸栄養ポンプ、PCAポンプ、フットポンプ、低圧持続吸引機など病棟で使用する医療機器の管理、保守、整備、メンテナンスを行っています。長期使用している機器に関しても月に一度病棟や外来も含めて使用中点検によるメンテナンスを行っています。また、看護部の協力のもと、医療機器の安全使用のための勉強会を計画的に行っています。
主な医療機器保有数 |
|
---|---|
シリンジポンプ | 400台 |
輸液ポンプ | 380台 |
経腸栄養ポンプ | 40台 |
PCAポンプ | 22台 |
フットポンプ | 140台 |
低圧持続吸引機 | 69台 |
超音波ネブライザ | 64台 |
臨床工学部管理医療機器 計 9394台 (2024年7月現在) |