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炎症性腸疾患(IBD)・良性腸疾患センター

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炎症性腸疾患(IBD)・良性腸疾患センターについて

 潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis: UC)とクローン病(Crohn's Disease: CD)に代表される炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease: IBD)は腸管の免疫異常によって発症する慢性で難治性の疾患であり、多くは若年期に発症して再燃と寛解を繰り返します。近年、本邦でもIBDの患者数の増加は著しく、UC患者数は16万人を超え、CD患者数は約4万人となり1)、世界有数のIBD罹患国となっています。同時に多くの薬剤が認可され、薬物治療の選択肢が増えてきました

 一方、他の良性腸疾患としては機能性腸疾患の代表である過敏性腸症候群や、憩室症、腸管捻転、慢性便秘症などが挙げられます。過敏性腸症候群はストレス社会を反映した腹痛、下痢を主体とした疾患で、近年では徐々にその病態が解明され、診断率の上昇に伴い患者数も増加傾向にあります。憩室症、腸管捻転、慢性便秘は高齢者を中心に増加傾向です。このような状況をふまえ、当院では正しい医療情報を提供し、適切な治療を、より円滑に実施できる環境を整えるために当センターを新設しました。

1) 難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/

炎症性腸疾患(IBD)・良性腸疾患センターの特長

1. 内科・外科・小児科の連携による優良な医療体系の構築

 当院では消化器内科、小児科において主にIBDの診療が行われております。その中で手術対象例は消化器外科・小児外科で治療を行います。術後は元の診療科でフォローアップ及び診療を継続していくこととなります。小児期から発症した患者さんは、保護される立場から自律して判断できる成人になって行きます。成長に合わせて、成人期にふさわしい医療が切れ目なく提供されることが必要です。

 またIBDの重症者は刻一刻と病状が変化するため、診療科間で細かい連携と情報共有が必須となります。クローン病では長期経過の中で腸管狭窄、肛門疾患の合併などで度重なる手術が必要となる場合も少なくありません。憩室症、腸管捻転、慢性便秘症なども最終的に手術適応を判断するには同様の対応が必要になってきます。

 このような背景から専門性の高い難病の炎症性腸疾患と良性腸疾患に特化した内科、外科および小児科の三科医師による円滑かつ密接した診療体系を構築しました。

2. 多職種連携による診療

 幼少期、青壮期から長期的な診療が必要になる場合が多いIBDの診療は、加療を継続中に就学、就労、女性であれば妊娠・出産など、多くのイベントを考慮した治療が望まれます。また近年では様々な疾患を合併している高齢者においても発症が増えております。その中で、難治性のため長期的な免疫抑制療法を行う場合や、重症化による緊急手術などを余儀なくされる場合もあり、病勢・病状に沿った薬物、栄養、食事管理や心理的なサポートが重要になります。当センターでは専門の専属薬剤師、管理栄養士、臨床心理士と連携を密にすることで、薬剤の説明や栄養指導、メンタルケアを重点的に行い、より患者さんに適切で安全な医療を提供できるように心掛けます。

対象疾患(対象となる方)

  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 腸管ベーチェット病、単純性潰瘍
  • 非特異性多発小腸潰瘍症
  • 腸結核
  • 過敏性腸症候群
  • 憩室症
  • 腸管捻転
  • 慢性便秘
  • 悪性腫瘍およびIBD・良性腸疾患関連の悪性疾患
  • 原因不明の小腸・大腸の炎症、潰瘍がある患者さん

受診を希望される方へ(当センターの外来について)

 潰瘍性大腸炎やクローン病の治療を含め、良性腸疾患の診療を行うにあたり、最も大切なことは患者さんに自身の病気の状態を正しく理解していただき、主治医とその情報を共有することです。そのためには外来での細やかな情報共有が必要になります。そして病気の状態にあった治療法について、主治医と十分な相談ができる環境を整えることが重要と考えています。また病気の状態を知るうえでは内視鏡等の検査が必要となりますが、できる限り苦痛の少ない検査法を実践していますので、疑問や質問などがあれば、遠慮せず担当医にご相談ください。

  • 初診の方は東京医科大学病院ホームページ内「初めて受診される方へ」をご確認ください。
    初診外来は各診療科の初診外来医師が診察を行います。
  • 紹介状をお持ちの方は事前予約が可能です。受付時間内に03-3342-6111(代表)にお掛けください。
  • 紹介状をお持ちの方で予約を取られていない場合、外来日に受付時間内(11:00-14:30)に来院されれば、直接ご受診いただくことも可能です。その場合、多少お待たせしてしまうこともございますが、ご理解ください。

お問い合わせ

TEL:03-3342-6111(代)
消化器内科 受付
消化器外科・小児外科 受付
小児科・思春期科 受付まで

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