お知らせ
〈アレルギーセンターより〉食物アレルギー児の保護者の方へ クリスマスパーティーに向けた注意点
2024.11.01
街が色づく季節になりました。もうすぐクリスマス...
幼稚園・保育園や学校行事、ホームパーティーなどに参加する機会も増えてくると思います。皆さんにとって楽しいはずのイベントですが、食物アレルギー児にとっては対応を間違えると、思わぬ事態に発展する可能性もあります。では、食物アレルギー児はこのようなイベントに参加できないのでしょうか?答えは「参加可能」です。児の発達や食育のためにも参加可能であれば参加が望ましいと考えます。そこで、今回は、幼稚園・保育園や学校行事、友人宅でのホームパーティーに参加する際の注意点を解説します。
1.自宅外では原因となる食物は「完全除去」
まず、自宅以外で食事をする際は安全を最優先するため、原因食物は完全除去で対応します。自宅で少量摂取可能である食物でも「自宅外」という特殊な環境下では安全を担保できないため「完全除去」としてください。
2.入念な「事前準備」を
次に、会の開催・参加にあたり様々な「事前準備」が必要です。入念な事前準備が「誤配膳・誤食を防ぐ」ことになります。お子さんが「何の食物がアレルギーで食べられないのか」という児の食物アレルギー情報を正確にイベント主催者側に伝えてください。
〈受け入れ側の工夫〉
- アレルギー食材を使用しない献立を作り参加者全員が自由に摂取できるようにする
- 見た目は同じお菓子や料理でも、食物アレルギー児にはアレルギー食材を使用していない食品を提供する。その際、どれがアレルギー児の食事かわかるように印をつけて担当を決めて直接渡す
- 参加者各自が自分たち用のお弁当やお菓子を持参して各自で食べる
- アレルギー食材が加工品やお菓子に入っていないかを確認する
- 調理中や配膳後にアレルギー食材の混入がないようにする
〈参加側の注意点〉
以下の点について、しっかり事前の確認や交渉をすることが必要です。
- 事前に、提供される食材に児のアレルギー食材が入っていないか確認する
- 事前に、当日の流れを主催者側と確認する
3.参加当日も「誤配膳」「誤食」に注意
参加当日も、主催者側や保護者や本人も含め、細心の注意を払いながら過ごすことが大切です。実際、食物アレルギー児のご家族にお話を伺ったところ「園や学校で、校長先生や担任の先生が生徒やそのご家族に『〇〇さんは△△食物アレルギーのため、その食材を食べることができないので一緒に協力して○○さんを守っていきましょう』と話してくださり、様々な学校行事を事故なく過ごせた」と話していました。また、別のご家族は「『食育が大事なので、みんなと一緒に食べましょう』とのことで、クラスの友人と一見同じものですが、アレルギー食材を使用していない食事を提供してくださり、誤配膳がないような配慮もされている」と話していました。
4.症状が出た際は「適切な治療」を
ただ、どんなに注意をしていてもアレルギー食材を誤食し症状が出現する可能性もあります。症状出現時は的確な対応を行うことができるよう、症状出現時の「適切な治療」※1 について日ごろから確認しておくことが大事です。例えば、蕁麻疹が出現した場合、抗ヒスタミン薬(内服薬)があればまず内服してください。その後症状の改善がない、あるいは増悪傾向であれば医療機関を受診してください。またアナフィラキシーであれば速やかにエピペン®を使用し※2、救急車で医療機関を受診してください。
※1:「食物アレルギー緊急時対応マニュアル」(独立行政法人 環境再生保全機構 作成)を参照
※2:エピペン®対応:食物アレルギーをお持ちの方向けのお知らせを参照
自宅外でのイベント参加時のポイントは「完全除去」「入念な事前準備」「誤配膳・誤食を防ぐ」「適切な治療」です。みんなが安心・安全に楽しいひと時を過ごせるよう協力することが大切です。
以下の関連情報もご参照ください。
- 東京都保健医療局ホームページ「食品衛生の窓」
「飲食店向け食物アレルギー対策について」
※「飲食店向け」とありますが、食事を提供する環境下にいる方、全員に熟知していただきたい内容が記載されています。