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世界が注目する悪性脳腫瘍の先端医療が保険適用になりました。
『悪性脳腫瘍に対する光線力学的療法(PDT)認可』

2014.04.02

報道関係者各位

ニュースリリース

2014年4月2日

世界初、悪性脳腫瘍に対する光線力学的療法認可

~悪性脳腫瘍の先端治療へ保険適用が可能に~
世界が注目する悪性脳腫治療の新たな一歩

 光線力学的療法(PDT)とは、腫瘍組織や新生血管への集積性がある光感受性物質を患者に投与。同物質が集まった箇所の組織にレーザー光を照射し、光感受性物質に光化学反応を引き起こして活性酸素を発生させ、がん細胞を変性・壊死させる治療法です。
 東京医科大学は、東京女子医科大学との共同研究グループを通じて、2012年に悪性脳腫瘍に対するPDTを世界で初めて開発しました。その後、治験データをもとに薬事承認を申請、昨年9月の認可を経て、今年2014年1月1日に保険収載されました。これにより、世界に先駆け日本で悪性脳腫瘍に対するPDTを保険適用の治療として行うことが可能になりました。
 こうした一連の研究成果に対して、東京都医師会より本大学脳神経外科・秋元治朗准教授に平成25年度「医学研究賞」が授与されました。

より安全な治療を実施するにあたってのガイドラインを作成

 悪性脳腫瘍に対するPDTの実施にあたっては、光感受性物質の投与にレーザー光の照射という要素が加わるため、安全な機器操作をマスターする必要があります。そこで、この治療の普及にあたっては、日本脳神経外科学会のサポートを得てガイドラインを作成。それに則った講習会を受け、修了証を受領した認定医が同治療を行えるようになります。
 こうした取組みなどを通じて、これまで難治とされてきた悪性脳腫瘍の先端治療が、今後、標準治療として広く用いられるようになることが期待されています。

目指すは悪性脳腫治療のグローバルスタンダード

 安倍政権が成長戦略の一環として掲げた、平成25年度「戦略的国際標準化加速事業(国際標準化共同研究開発)」の政府戦略分野において、悪性脳腫瘍へのPDTが重要テーマのひとつに選ばれました。
 国際的にPDTの効果や安全性などへの評価がまだ定まらないなかで、既にそのためのガイドラインを作成し、保険適用を実施するなど、世界的にも一歩先を行く日本の研究開発。国家的支援の追い風を受けながら、世界に先駆けて開発された悪性脳腫瘍に対するPDTは、この分野でのグローバルスタンダートを射程に捉えながら、さらなる進化を目指しています。

●光線力学的治療の仕組みと特徴

 難治といわれる悪性脳腫瘍ですが、有望な治療法のひとつとされているのが光線力学的療法(PDT)です。PDTは、開頭による脳腫瘍切除術と併用して行われます。先ず、手術前の段階で患者に腫瘍組織や新生血管への集積性がある光感受性物質を投与します。そして、脳外科手術により開頭して腫瘍を切除し、さらに、事前に投与した光感受性物質が集まっている箇所にレーザー光を照射し、光感受性物質に光化学反応を引き起こして活性酸素を発生させ、手術で取りきれなかったがん細胞を変性・壊死させます。
 PDTの大きなメリットは、悪性腫瘍を狙い撃ちにするため正常な細胞を傷つけるリスクが少ないという点です。また、一般的な高出力のレーザー治療とは異なり、手をかざしてもほとんど熱さを感じない程度のレーザー光を用いるため、患者への侵襲性が少ないなどの特徴があります。
 また、治療適用については初発・再発を問わず、原発性であればすべての悪性脳腫瘍が対象となるなど、こうした適用範囲の広さについても、世界の医療機関から注目が集まっています。

●東京医科大学におけるPDT研究開発の経緯

 東京医科大学ではいち早くPDTの研究開発に取り組み、初めて早期肺がん治療の保険承認を受けるなど、国内におけるPDTのパイオニアとして肺がんにおいて大きな成果をあげる一方、悪性脳腫瘍に関しても基礎実験を繰り返してきました。
 2009年からは、東京女子医科大学とともに医師主導臨床試験(治験)を開始し、初発の患者13症例について12ヶ月の生存率100%、さらに、平均生存期間に関してこれまでの14.6ヶ月を大幅に伸ばし、はじめて2年を越える24.8ヶ月を達成しました。
 そして、これらの治験データをもとに、2012年には悪性脳腫瘍に対する薬剤と装置の適用拡大を目指す薬事承認を製薬メーカーと医療機器メーカーが厚生労働省に申請、翌2013年9月、日本の医師が国内メーカーの薬剤と装置を用いて開発した、文字通り、日本発の悪性脳腫瘍に対するPDTが世界で初めて国に認可され、今年2014年1月1日の保険収載を受け、保険適用の治療として用いることが可能になりました。これにより、この治療を希望する患者は普通の治療として受けることができるようになり、しかも、負担はかなり抑えられることになります。

●今後の取組みと課題

 悪性脳腫瘍に対するPDTをそれぞれの施設・医師が安全に行えるようにするため、東京医科大学と東京女子医科大学の共同研究グループは日本脳神経外科学会のサポートを得てガイドラインを作成。さらに、それに準拠した講習会を定期的に実施し、それを受講して修了証を受領した医師であれば、誰もが同治療を行うことができる認定制度の仕組みをつくりあげました。
 こうした取組みに加え、世界初の国による認可により、日本国内での普及が進むと思われる悪性脳腫瘍に対するPDT。しかし、目指しているのはグローバルスタンダード化、つまり、世界の標準治療となることです。現在、安倍政権が成長戦略の一環として掲げた、平成25年度「戦略的国際標準化加速事業(国際標準化共同研究開発)」の政府戦略分野において、悪性脳腫瘍へのPDTが重要テーマのひとつに選ばれるなど、そのための条件は整いつつあります。
 投与する薬、使用するレーザーや顕微鏡は日本製、そして、日本で開発された治療法を用いる、まさにオールジャパンの悪性脳腫瘍に対するPDTが、世界の標準治療になる、その日を目指して東京医科大学病院脳神経外科ではさらなる取組みを続けています。

以上

本件に関するお問い合わせ先

東京医科大学病院
経営企画・広報室


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