手術支援ロボット「ダヴィンチ」徹底解剖

よくある質問

「ダヴィンチ」の
ここが知りたいQ&A

「ダヴィンチ」手術に関して、当院に患者さんや一般の方たちから多く寄せられるご質問と、その回答をまとめました。お問い合わせの前にご確認ください。

どんな疾病でも「ダヴィンチ」手術を受けられますか

A.手術が必要となるすべての疾患で、「ダヴィンチ」手術が行えるわけではありません。当院では5つの診療科で「ダヴィンチ」手術を行っていますので、対象疾患については診療科の取り組みを参考にしてください。「ダヴィンチ」手術を行うためには、医師の熟練した技術が必要です。国内においても「ダヴィンチ」手術が浸透していけば、将来は対象となる疾患も増えていくことでしょう。

「ダヴィンチ」での手術を受けるには、どうしたら
いいのでしょうか

東京医科大学病院内にある 総合相談・支援センター 「医療連携担当」に窓口が設けられています。まずは、こちらにお問い合わせください。

ロボットに手術される”と考えると、少し怖い気がします

「ダヴィンチ」手術は、認定資格を取得し、トレーニングを積んだ熟練した技術を持つ医師によって行われる手術です。当院ではさらに独自の厳しい規定を設けており、医師は日々技術を高めていく訓練を重ねています。ロボットは医師の技術をサポートするのが役割。ロボットが行う手術ではなく、医師がロボットを活用し、より精度の高い手術を可能としたのが「ダヴィンチ」手術とお考えください。

「ダヴィンチ」を用いると、手術の成功率は高くなりますか

「ダヴィンチ」手術は、まだ歴史が浅いために長期的な経過観察に基づく十分なデータはありませんが、当院ではすでに2,644例の手術実績(※2020年7月末現在)があり、他の術式と比較して、術中の出血量が極めて少なく、断端陽性率(がんの取り残し)が低いこと、術後の回復が早いことが明らかになっています。十分にトレーニングを積んだ医師による手術であれば、他の術式と比較して同等以上の成功率が期待できます。

「ダヴィンチ」なら、どんな医師でも同じような手術が
できるのですか

医師の熟練した技術が必要です。ただし「ダヴィンチ」はたいへん操作性に優れているので、鏡視下手術と比較して、手術の技能を習得する期間の短縮、レベルの向上を図れるという利点があります。今後、「ダヴィンチ」が広がっていけば、難しい手術でも多くの医師が手がけられるようになり、高いレベルでの医療の質の均等化が期待されています。当院でも国内での「ダヴィンチ」手術の広まりを踏まえ、術者育成のためのカリキュラムや事前トレーニングの環境を整えるなどの体制づくりにも積極的に取り組んでいます。

体力の落ちている高齢者でも、「ダヴィンチ」手術は
受けられますか

年齢の制限はありません。高齢の方であっても、一般的には開放手術、鏡視下手術に耐えられる状況にある患者さんであれば、ダヴィンチ手術も受けることは可能です。「ダヴィンチ」手術は患者さんにとって傷口が小さく、術後の負担が小さい低侵襲手術であるという特長がありますので、むしろ開放手術よりは患者さんの負担は軽くなる傾向にあります。 当院では、担当医師が患者さんと十分に話し合って、術式を決めさせていただいています。

安全性においては、どうなのでしょうか

これまで世界でも「ダヴィンチ」の機械によるシステムエラーの報告はわずか0.2~0.4%と極めて低いものです。当院でもこれまで事故の報告はありません。さらに手術に携わるスタッフは、緊急時にも瞬時に対応できるように訓練を積み、安全管理の徹底が図られています。

衛生面においては、どうなのでしょうか

「ダヴィンチ」手術では、患者さんの体内に入るのはロボットのアームに付けられた鉗子のみで、完全滅菌されたものを使用しています。ロボットの外側も滅菌されたドレープでカバーされており、衛生面には十分に注意しています。

もし、手術中に停電になったらロボットはどうなりますか

「ダヴィンチ」手術の最中にもし停電になっても、支障なく手術を続行することができます。当院では万一の場合を予測して、非常用電源を備えており、停電と同時にすぐに電源が切り替わり、電源を確保することができます。これは一般の手術でも同様ですが、緊急時にもリスクが回避できるように、日頃から医師・スタッフも十分なトレーニングを積んでいます。

費用はいくらくらいかかりますか

それぞれの疾患によって手術費用は異なります。当院では前立腺がん手術の場合、2012年4月より健康保険が適用となりました。また高額療養費制度も適用されます。その他の疾患については、各科にお問い合わせください。