手術支援ロボット「ダヴィンチ」徹底解剖

安全への取組

最新技術に慢心しない
危機管理体制と人材育成の徹底

「ダヴィンチ」はあくまでも最新技術であり万能ではありません。当院では、操作する術者とサポートするスタッフが常に患者さんの安全を意識し、日頃から「危機対応」「人材育成」の体制づくりに取り組んでいます。

緊急時を想定した危機対応の徹底
世界でこれまで報告された「ダヴィンチ」のシステムエラーは0.2~0.4%と極めて低く、エラー発生時にはシステム側で異常を確認し、術前にトラブルを回避できるようになっています。しかし、万が一術中にシステムエラーが発生しても、迅速かつ冷静に通常の術式に変更できるよう、日頃より緊急時を想定した訓練を実施しています。

緊急時を想定した危機対応の徹底

人材育成の重要性
「ダヴィンチ」を安全に取り扱うためには、術者の技術習得、向上が不可欠です。「ダヴィンチ」の製造元であるIntuitive Surgical社では、認定資格(certificate)制度を設けており、術者は専門の研修認定施設でトレーニングを受講します。資格取得後、最低10例の症例を見学してから手術に臨むことが義務付けられていますが、当院では更に「院内トレーニングセンターで20時間以上の実機訓練を積む」独自の規程を設け、人材育成の強化を図っています。
また、当院の泌尿器科はメーカー公認の手術見学施設であり、今後「ダヴィンチ」を導入予定の術者を対象に、見学を受け入れています。これは院内のみならず、全国の術者の技術向上にも役立っています。

人材育成の重要性

トレーニング(折り鶴)
動画:トレーニング(折り鶴)
3cm四方の紙で鶴を折ります

画像をクリックするとYoutubeページにて動画がご覧いただけます。

コラム

ロボット手術支援センターの取り組み

「ダヴィンチ」手術の全国的な広がりを視野に
情報共有と情報発信の拠点としての役割を担う

これまで国内で行われた「ダヴィンチ」手術の6割以上を占め、国内トップの実績をもつ当院では、2011年に国内初の『ロボット手術支援センター』を設立しました。今後、「ダヴィンチ」手術が実施される医療機関が全国的に増加していくことを念頭に、安全管理などの情報共有や、若手育成のシステムの構築を促すのがねらい。さらに「ダヴィンチ」手術への理解を深めてもらうために、開業医向けの勉強会の開催も予定しています。

また病院内においては、各科の「ダヴィンチ」手術への取り組みを統合して、徹底した安全性の追求、スタッフのレベルアップ、術式の検討、危機対応などを集中管理し、きめ細やかに対応していく組織づくりを目標としています。

〈ロボット手術支援センター設立の目的〉
  1. 1治療成績向上
  2. 2安全性管理の徹底
  3. 3高度な手術技術を持つ新たな術者の育成
  4. 4新たな医療技術の普及