robotic surgery

ロボット手術について

当院では手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入し、全5診療科でロボット支援手術を実施しています。
「ダヴィンチ」手術は、鏡視下手術と同様に患者さんの体に小さな穴を開けて行う、傷口が小さい低侵襲の手術です。この術式は出血量を極端に抑え、術後の疼痛を軽減、機能温存の向上や合併症リスクの大幅な回避など、さまざまなメリットがあります。

泌尿器科

前立腺がんに対するロボット手術

お臍の上に3cm穴をあけ、カメラを入れます。その他に計5か所の小さい穴(5-12mm)をあけます。手術の最後にお臍の上の穴から前立腺を取り出します。
以下がロボット支援下手術の特長になります。

  1. 出血が少ない
  2. 術後の痛みが少ない
  3. 術後の尿失禁の改善が早い
  4. 性機能についてもその他の治療よりも機能温存しやすい
  5. 感染症などの合併症頻度が少ない

入院期間は、約10~14日間となっており、手術後約一週間で尿道カテーテルを抜去して排尿状態を確認したのち退院となります。

膀胱がんに対するロボット手術

ロボット(ダヴィンチ)を利用して膀胱を摘除する腹腔鏡手術です。ロボット支援の膀胱全摘除術は、腹部への大きな切開を避けつつ精密な操作が可能です。膀胱がんは、これまで開腹手術により行われ、侵襲が大きく、患者さんの負担も大きい手術とされてきました。ロボット手術では、患者さんの回復が迅速で合併症が少なく、通常の手術よりも短い入院期間が特長です。

腎臓がんに対するロボット手術

ロボット(ダヴィンチ)を利用して腎臓がんを治療する腹腔鏡手術です。小さい腫瘍の場合は、積極的に腎臓を温存する腎部分切除術を施行しております。また大きい腫瘍の場合には、腎臓をすべて摘除することになりますが、その際にもロボット支援下手術で行っています。ロボット手術では、患者さんの回復が迅速で合併症が少なく、通常の手術よりも短い入院期間が特長です。

東京医科大学病院での特色

当院泌尿器科では日本でいち早く「ダヴィンチ」手術を取り入れ、前立腺がんの多くの症例を積み重ねてきました。術式の適応拡大に伴い2022年末までに前立腺がんに対する前立腺摘除術、腎臓がんに対する腎部分切除術、膀胱がんに対する膀胱全摘除術、先天性水腎症に対する腎盂形成術を行ってきております。特に前立腺全摘術については先進医療の時代からこれまでの手術件数は2900件となっています。2022年に腎臓がんに対する腎全摘術、上部尿路がん(腎盂がん、尿管がん)に対する腎尿管全摘術、副腎腫瘍に対する副腎摘除術も保険適応となりましたので、これについても開始しています。

泌尿器科について

診療科ページ

https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/hinyo/

ロボット手術の対象疾患

  • 前立腺がん
  • 膀胱がん
  • 腎臓がん

産科・婦人科

婦人科におけるロボット手術

2022年の1年間で、国内外の全診療科で行われたロボット手術の総数は120万件を超えています。そのうち約30%を婦人科手術が占めており、ロボット手術と骨盤腔の深部に病巣がある婦人科疾患との相性の良さを表しています。
2023年現在、日本では厚生労働省の定める基準を満たした施設に限り、保険診療として、子宮筋腫・子宮腺筋症などの婦人科良性疾患に対するロボット支援子宮全摘術、子宮脱を含む骨盤臓器脱に対するロボット支援仙骨腟固定術、早期子宮体がんに対するロボット支援子宮悪性腫瘍手術を行うことが認められています。
当科では適応基準を満たす症例において、第4世代手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を用いて、上記すべての術式を安全に遂行することが可能です。

婦人科手術におけるロボット手術のメリット

ダヴィンチによるロボット手術は、3Dイメージ拡大視野下で術者の手と同じように自由に稼働するロボット鉗子を操作し行います。そのため、開腹手術では見ることや作業が困難な狭く奥まったスペースにおいても、腹腔鏡手術よりも制限が少なくより繊細な操作が行え、その能力を最大限に発揮します。具体的には高度肥満症例での婦人科手術、骨盤深部での繊細な手技が必要な子宮脱(骨盤臓器脱)の根治術であるロボット支援仙骨腟固定術、そしてロボット支援子宮悪性腫瘍手術に伴う骨盤リンパ節郭清術などでその本領を発揮します。傷や痛みが少なく、より早期の回復が期待できます。一般的に開腹手術と比較した場合、手術には時間を要しますが、 出血量は約20分の1、入院日数が約4分の1になるなどといった良好な手術成績が得られています。

子宮体癌に対するロボット手術について:ロボット支援子宮悪性腫瘍手術

これまでの国内外の報告から、早期子宮体癌に対するロボット手術は、開腹手術や腹腔鏡手術と比べて根治性、安全性の観点から劣ることはなく、肥満や高齢の方ではむしろ技術的有用性を発揮する可能性があると考えられています。根治性、安全性を損なわず、整容性にも優れ、より早期の回復が期待できるため、早期子宮体癌の方にロボット手術は大きな恩恵があると考えています。当院では2009年から医学研究として早期子宮体がんに対するロボット手術を導入し、多くの手術を行ってきました。また、2018年4月に早期子宮体癌に対するロボット支援子宮悪性腫瘍手術が保険適応となったため、当院でも適応基準を満たす場合には、積極的に保険診療で早期子宮体がんに対するロボット手術を行っています。

子宮脱を含む骨盤臓器脱におけるロボット手術について:ロボット支援仙骨腟固定術

仙骨腟固定術という手術は、まず子宮の上部を切断し、腟に短冊型のメッシュ下端を固定し、その上端を仙骨前面にある前縦靭帯という靭帯に固定する手術です。2016年4月より「腹腔鏡下仙骨腟固定術」が保険収載され、2020年4月より「ロボット支援下仙骨腟固定術」が保険適用となりました。仙骨膣固定術は、骨盤の最も深い部位での剥離や縫合操作が必要です。そのため3Dカメラによる立体画像とズーム機能、広い関節可動域を持つ自由度の高い操作性に優れた鉗子というロボット手術の利点を最も生かせる術式の一つと考えています。

Da vinchi Xi  ポート配置

Da vinchi Xi ポート配置

Da vinchi Xi  外観

Da vinchi Xi 外観

東京医科大学病院での特色

当科では、2009年に医学研究として国内で1例目の婦人科領域におけるロボット手術を導入し、ダヴィンチの優位性をもとにして、従来の腹腔鏡手術では施行困難な高度肥満、高度癒着などの症例も含めて手術実績を重ねてきました。2016年から2021年までは、先進医療として子宮頸がんに対するロボット支援広汎子宮全摘術も施行してきました。なお現在、先進医療は終了し、結果の解析を行っている状態です。そのため、現在当科では一定の条件を満たす早期子宮頸がんに対しては、保険診療での腹腔鏡手術で治療を行っています。医学研究、先進医療、保険診療の全てを含めて、これまでに600例以上の豊富な症例を経験しています。

産科・婦人科 について

診療科ページ

https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/sanfu/

ロボット手術の対象疾患

  • 子宮体がん
  • 子宮筋腫など良性子宮腫瘍
  • 子宮脱など骨盤臓器脱

呼吸器外科・甲状腺外科

「ダヴィンチ」による肺がん手術

術式は開胸、胸腔鏡手術と同じ肺葉切除または肺区域切除の標準的な手術を行います。
繊細な操作が求められる場面が多い肺切除手術において、ダヴィンチは高い精度の手術操作を可能としています。鉗子をロボットのアームに装着し、鉗子の操作を行うロボットを術者が操作することで手術を行います。傷は従来の胸腔鏡手術よりも小さく、側胸部にロボットの鉗子を挿入する1㎝程度の小さい穴4か所と、助手の操作や肺を体外に摘出するため3cmほどの穴の計5か所となります。出血量が少なく、傷による体の負担も少ないため、多くの場合術後の回復は早く、早期の社会生活への復帰が可能となります。術後は7日前後で退院となります。

術者は術野から破ばれて操作を行います。
ダヴィンチ手術の術野
鉗子の入るポートの配置
ロボットの鉗子

「ダヴィンチ」による縦隔腫瘍手術

当院で施行する縦隔腫瘍に対するダヴィンチ手術は部位に関わらず5㎝程度の大きさの病変までを適応としています。鉗子先端の繊細な操作を行うことができるダヴィンチは、極めて狭い領域の操作が求められる縦隔の病変に対する手術では特にその有用性が発揮されます。病変の部位や診断により傷や術式は異なりますが、最も多い前縦隔腫瘍である胸腺腫に対する胸腺摘出術の場合、傷は側胸部にロボットの鉗子を挿入する1㎝程度の穴を3か所、腫瘍や周囲組織を摘出する2-3cm程度の穴の計4か所となります。手術による体への負担は極めて少なく、術後早期の回復、社会生活への復帰が可能となる場合が多いのも特長です。

当科での「ダヴィンチ」手術への取り組み

当科では以前より患者さんの負担を軽減する低侵襲手術に取り組んできました。ダヴィンチによる手術は2010年から開始し、縦隔腫瘍に対する切除を中心に保険収載前より臨床研究として行ってきました。2018年4月にはロボット支援下による縦隔腫瘍手術、肺がんなどの肺悪性腫瘍に対する肺葉切除、肺区域切除手術などが保険収載され、現在では臨床研究として蓄積した経験をもとに、これら術式に対しダヴィンチを用いた手術を積極的に行っております。

低侵襲手術が主流となる中での「ダヴィンチ」による呼吸器外科手術

呼吸器外科領域の縦隔腫瘍や肺がんに対する手術は、以前は肋骨や胸骨を大きく切断することによって得られる大きな傷で行われてきました。このため他領域の手術と比較し痛みが強く、負担の大きい手術とされてきました。しかし近年「胸腔鏡下手術」の普及により肋骨と肋骨の間から器具を挿入することによって手術が行われ、単に「傷が小さい」ということのみではなく、「骨を切らずに行うことができる」手術であることから、手術における負担軽減に大きく貢献しています。そこに内視鏡手術機器の一つとして手術支援ロボット「ダヴィンチ」が加わりました。「ダヴィンチ」の特長は、通常の内視鏡手術の器具と異なり、操作用の鉗子を狭い胸腔内で自在に角度を変えることができること、術者の手振れを除去する機能がついていること、術野を精細な3次元画像で近接して見ることができるといった特長があります。比較的狭い領域できわめて繊細な操作が求められる胸腔内、縦隔内の手術において、負担軽減だけでなく手術の「精度向上」に大きな役割を果たしております。

呼吸器外科・甲状腺外科について

診療科ページ

https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/kokyukigeka/index.html

ロボット手術の対象疾患

  • 肺がん
  • 転移性肺腫瘍
  • 縦隔腫瘍

消化器外科・小児外科

食道がんに対するロボット手術

食道がんの手術では、頸部、胸部、腹部の3つの部位での操作が必要であり、大きな傷が必要でした。しかし、内視鏡下手術の進歩と胸腔鏡下手術の導入により、小さな傷で体に優しい手術が可能になりました。しかしながら、根治的な手術ではリンパ節郭清の際に、声帯の動きをコントロールする反回神経を傷つけることによる声帯麻痺が問題となりました。胸腔鏡下手術では、二次元の画像と限られた鉗子の動きが神経を傷つけるリスクを高めていましたが、ロボット支援手術は、三次元画像を使用し、より自由度の高い鉗子による微細な操作を可能にすることで、神経損傷のリスクが低減されました。当院では、ロボット支援手術を2010年から食道がん治療に取り入れており、合併症の軽減だけでなく、出血量の減少と術後の早期回復を実現しています。日本内視鏡外科学会認定のロボット支援手術認定プロクター(手術指導医)により、精度の高いロボット手術が行われています。

胃がんに対するロボット手術

以前、当院では胃がんの手術において、創の小さく体への負担が少ない腹腔鏡下手術を多く行っておりました。胃がん手術では、転移しやすいリンパ節を郭清することが重要ですが、腹腔鏡下手術では、鉗子の動きに制限があることから、リンパ節に近い膵臓の損傷による膵液の漏れ(膵液漏)が問題になっておりました。一方でロボット支援手術では鉗子の動きの制限が少なくスムーズに行えるため、膵臓に対する愛護的な操作が可能となり、膵液の漏れによる合併症が減少します。当院では、ロボット支援胃切除術のエキスパートにより、胃がん患者さんに対し高い根治性だけでなく、合併症の少ない愛護的な手術が行われています。

膵がん・胆管がん・十二指腸乳頭部がん・低悪性度膵腫瘍に対するロボット支援手術

【ロボット支援膵頭十二指腸切除術】

膵頭部がん、遠位胆管がん、十二指腸乳頭部がんの手術では通常、膵頭十二指腸切除術が行われます。この手術では、膵頭部、十二指腸、胆管、および小腸の一部が切除され、またリンパ節の郭清も行われます。そして、切除後には再建(膵腸吻合、胆管-腸吻合、十二指腸-空腸吻合)が行われます。再建においては、正確な縫合操作が求められますが、ロボット手術の3D画像、手ブレ防止機能、そして多関節機能などのシステムにより高い精度の縫合が可能となりました。しかしながら、膵頭十二指腸切除術は非常に高度な手術技術を必要とします。当院では、長年にわたるこの手術の経験と熟練した日本内視鏡外科学会認定のロボット支援手術認定プロクター(手術指導医)により、多くのロボット支援膵頭十二指腸切除術が施行されており、この術式を求め全国から多くの患者さんが当院に紹介されております。

【ロボット支援膵体尾部切除術(脾温存尾側膵切除術)】

膵体尾部の低悪性度腫瘍の場合、脾臓を温存する脾動静脈温存尾側膵切除術がしばしば選択されます。この手術では、脾臓に血液を供給する血管(脾動脈と脾静脈)を温存する必要があり、そのためには精密な手術技術が必要です。微細な手術操作が可能なロボット支援手術では、これらの血管を温存できる率が高いと報告されています。当院では、このロボット手術の特性を活用し、脾臓を温存する手術ではロボット支援尾側膵切除術を積極的に行っており、高い脾臓温存率を誇っております。当院では、日本内視鏡外科学会認定のロボット支援手術認定プロクター(手術指導医)により、精度の高いロボット手術が行われています。

東京医科大学病院における膵臓手術件数

肝臓がん・転移性肝がんに対するロボット手術

肝臓には多くの血管が入り組んでおり、肝切除手術では出血を最小限に抑えるために繊細な手術操作が必要です。また、肝臓内には胆汁が流れる胆管も複雑に分布しています。術後の胆汁漏れを防ぐためにも、慎重な手術が求められます。繊細な鉗子操作が可能なロボット手術では、出血や胆汁漏れのリスクを減らすことが期待されています。当院では、肝胆膵外科領域のロボット手術のエキスパートによって、積極的にロボット支援肝切除術が行われています。当院では、日本内視鏡外科学会認定のロボット支援手術認定プロクター(手術指導医)により、精度の高いロボット手術が行われています。

先天性胆道拡張症に対するロボット手術

当院では膵・胆管合流異常に伴う先天性胆道拡張症に対して多くのロボット支援先天性胆道拡張症手術を行っております。先天性胆道拡張症手術では胆管の狭い箇所を残すと、長年の経過で肝臓内に結石が形成される可能性があり、その治療が困難であることが報告されております。そのため胆管の狭い箇所を残さない精度の高い胆道再建が必要とされます。当院では多くのロボット支援膵頭十二指腸切除術で培った手術経験を活かし、一般的に手術件数の少ない本術式に対しても、精度が高くかつ合併症の少ない手術を行っており全国より多くの患者さんが紹介されております。当院では、日本内視鏡外科学会認定のロボット支援手術認定プロクター(手術指導医)により、精度の高いロボット手術が行われています。

大腸がん(結腸がん・直腸がん)に対するロボット手術

【直腸がんでのロボット手術】

直腸は、骨盤という狭い空間に位置しており、この骨盤内には直腸のほかに膀胱、前立腺、子宮などの臓器や重要な血管に加え、排尿や性機能を制御する自律神経が存在しています。そのため、直腸がんの手術を行う際には、これらの血管や神経を損傷しないように細心の注意を払いながらリンパ節を郭清することが重要です。人間の手首以上に柔軟に動くロボットの鉗子(かんし)を使用することで、骨盤内の深部で精密な操作を行い、手術の正確性を高めることができます。さらに、ロボットの高画質の3D画像を用いることで、微細な構造を正確に識別し、非常に繊細な手術操作を行うことが可能です。これにより、高い根治切除率に加え、術後の機能障害などのリスクを低減することが期待されます。当院では、日本内視鏡外科学会認定のロボット支援手術認定プロクター(手術指導医)により、精度の高いロボット手術が行われています。

【結腸がんでのロボット手術】

結腸がんの腹腔鏡下手術では、術後の合併症防止のため切除した腸を正確につなぐこと(腸管吻合)が重要ですが、腹腔鏡下手術で腸をつなげるには安定性が欠けるため、お腹の傷を広げ、腸管を体外に引き出して腸管吻合をしていました。しかし、ロボット手術における多関節機能を備えた自動縫合器の使用により、傷を広げることなくお腹の中で安全に吻合することが可能になりました。一方で、安全なロボット手術を行うには、経験豊富な熟練の外科医による施行が望まれます。当院では、日本内視鏡外科学会認定のロボット支援手術認定プロクター(手術指導医)により、精度の高いロボット手術が行われています。

東京医科大学病院での特色

【あらゆる消化器外科手術においてロボット支援手術の豊富な経験と実績】

消化器外科領域では、全国に先駆けて2010年から大腸がんと食道がん、2014年からは膵がん・胆道がんにおけるロボット支援手術を開始しました。ロボット支援手術は、傷が小さいだけでなく、微細な体の構造を高精度の3Dカメラで観察しながら、外科医の指先の動きと連動する精密なロボットの動きによって非常に緻密な手術を可能にし、出血量が非常に少ないことが特長です。東京医科大学病院では、各臓器におけるロボット手術に対し豊富な経験と実績を持ち、熟練した外科医によって精度の高い手術が行われています。

関連リンク

消化器外科・小児外科について

診療科ページ

https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/syoukakigeka/

ロボット手術の対象疾患

  • 食道がん
  • 胃がん
  • 膵がん
  • 胆道がん
  • 十二指腸乳頭部がん
  • 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
  • 膵粘液性嚢胞腫瘍(MCN)
  • 膵漿液性嚢胞腫瘍(SCN)
  • 膵神経内分泌腫瘍(pNEN)
  • 充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)
  • 肝細胞がん
  • 転移性肝腫瘍
  • 大腸がん(結腸がん・直腸がん)
  • 先天性胆道拡張症

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

咽喉頭がんとは

いわゆる「ノド」である咽頭・喉頭は呼吸・発声・飲み込みに関わる部位で発生するがんです。咽喉頭がんは全がんの4%と少なくあまり知られていません。進行がんになってから見つかる場合が多く、治療により機能障害が起こることが問題となります。内視鏡の進歩とともに小さいがんでも見つかるようになってきており、より早期がんの状態で発見することが可能となりました。刺すようなノドの痛みが続く、飲み込むときに痛い、痰に血が混じる、首が腫れたなどの症状が続く場合は専門医の診察が必要です。

咽喉頭がんに対するロボット手術

咽喉頭がんに対する「ダヴィンチ」手術は経口的ロボット支援手術(Trans oral robotic surgery; TORS)と言われています。TORSの対象は中咽頭がん、下咽頭がん、声門上がん(喉頭がんの一部)であります。口の中から摘出するために比較的小さいがん(4cm未満)が対象となります。頸部リンパ節転移の有無については問いませんが、リンパ節転移の状況により適応とならない場合があります。「ダヴィンチ」手術は内視鏡手術に比べ手術の安定性がよく安全かつ適切な切除が行えます。

東京医科大学病院での特色

当院は全国に先駆け2011年8月より臨床研究を行い、2015年から先進医療を行ってきました。2018年8月に頭頸部(経口的手術に限る)への適応拡大申請が認められ、日本でのトレーニングプログラムが始動しました。そして、2022年4月から、ついに保険適応となっています。当科は国内で多くの症例数を有しており、塚原、清水とも日本頭頸部外科学会認定プロクターとして他施設の指導も行っています。また、塚原は当該領域で国内に2人しかいない、ロボット外科学会の国内A級ライセンスに認定されています。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科について

診療科ページ

https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/jibi/index.html

ロボット手術の対象疾患

  • 中咽頭がん
  • 下咽頭がん
  • 喉頭がん(声門上がん)