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A型肝炎ワクチン
A型肝炎は汚染された飲食物や食器を介してかかる病気です。とくに、生の海産魚介類などを食べて感染するケースが多いようです。症状は、発熱や黄疸、全身倦怠感などの症状をおこします。アジア、アフリカ、中南米に広く存在し、今でも数多くの患者が発生しています。
A型肝炎ワクチンは、たとえ短期間であっても、途上国に滞在する方には接種をお奨めします。特に60才以下の人は抗体保有率が低いため、接種をお奨めます。
| 接種回数 | 接種間隔の目安 | |
| 2回目 | 3回目 | |
| 3回 | 2〜4週間 | 6〜12か月後 |
※東京医科大学病院渡航者医療センターでの、小児に対するA型肝炎ワクチン
日本のA型肝炎ワクチンは、現在16歳未満の小児には未承認です。しかし、臨床試験は終了しており、効果、副反応ともに成人同様問題ないことが報告されています。また、海外(とくに途上国)に渡航する場合には、小児でもA型肝炎ワクチンの必要性は高いと考えられています。
そのため、東京医科大学病院渡航者医療センターでは、小児に対しても、保護者の希望がある場合には、A型肝炎ワクチンの接種を行います。接種回数は成人と同様です。お気軽にご相談ください。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎は性行為や医療行為の際の汚染された注射器や輸血などから感染します。発展途上国で広く流行しており、中国、東南アジア、アフリカは高度流行地域です。健康な成人が発病した場合には、一過性な黄疸や全身倦怠感、発熱などの症状をおこし、さらに一部の人は劇症化し、命を失うこともあります。また、慢性化することもあります。高度流行地域に滞在する場合は、B型肝炎ワクチン接種をお奨めします。
| 接種回数 | 接種間隔の目安 | |
| 2回目 | 3回目 | |
| 3回 | 4週間 | 6〜12か月後 |
破傷風トキソイド
破傷風菌は世界中の土の中に存在し、ケガをすると傷口から侵入します。発病するとけいれんをおこし、死亡することの多い病気です。ケガをしてから医療施設を受診し、破傷風ワクチンの接種を受けることもできますが、海外では医療施設の受診をためらう方が多く、それだけ発病のリスクも高くなります。
そのため、破傷風トキソイドは、海外渡航の有無に関わらず接種が勧められますが、出発前の機会に接種をお奨めしています。
なお、小児の場合には、3種混合ワクチン(DTP:ジフテリア、破傷風、百日咳)に含まれています。
| 接種回数 | 接種間隔の目安 | 有効期間の目安 | |
| 2回目 | 3回目 | ||
| 3回 | 4週間 | 6〜12か月後 | 10年 |
※小児期にDTPワクチンを接種済の成人では、追加として1回接種を行う場合もあります。
狂犬病ワクチン
狂犬病は、発病するとけいれんや意識障害などをおこし、ほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。イヌだけでなくキツネ、アライグマ、コウモリなどの哺乳動物に咬まれて感染します。海外では、オセアニアなど一部を除き、アジアやアフリカ、中南米などでは、多くの患者が発生しています。
狂犬病ワクチンは、これらの国への旅行する人や長期滞在、研究者など動物と直接接触し感染の機会の多い場合や、奥地・秘境などへの渡航ですぐに十分な医療機関にかかれない人にお奨めします。しかし、事前に狂犬病ワクチンを接種していても、現地で動物に咬傷された場合には、追加接種が必要です。
※東京医科大学病院渡航者医療センターでの、狂犬病ワクチン
渡航者医療センターでは、日本国内での狂犬病ワクチンと、海外で一般的に使用されている狂犬病ワクチン(輸入)との2種類を取り揃えています。
お気軽にご相談ください。
| ワクチン | 接種回数 | 接種間隔の目安 | |
| 2回目 | 3回目 | ||
| 狂犬病(国産) | 3回 | 4週間 | 6〜12か月後 |
| 狂犬病(輸入) | 3回 | 7日 | 21日または28日 |
日本脳炎ワクチン
日本脳炎は蚊に媒介される病気で、東アジア、東南アジア、南アジアで流行しています。
日本脳炎ウイルスを保有する蚊の刺咬によって感染します。発病すると意識障害や麻痺などの急性脳炎をおこし、死亡率が高く、後遺症を残す例も多くみられています。都市部で感染することは稀な病気ですが、とくに農村地帯を生活の基盤とする場合など、日本脳炎ワクチンの接種をお奨めします。
なお、小児の場合には、予防接種法の定期接種に含まれています。
| 接種回数 | 接種間隔の目安 | 有効期間の目安 | |
| 2回目 | 3回目 | ||
| 3回 | 1〜4週間 | 約1年後 | 4〜5年 |
黄熱ワクチン (※東京医科大学病院渡航者医療センターでは接種できません)
黄熱は蚊に媒介される病気で、熱帯アフリカや南米が流行地域です。通常はジャングルの中で流行しているため、渡航者が感染することは稀です。しかし、時に都市部にも流行が波及することがあり、発病すると死亡率が高いことから、流行国に滞在する際には、短期間であってもワクチン接種をお奨めしています。
なお、流行国の中には、入国する際にワクチン接種証明書の提示を求める国があります。どの国で要求されているかは、検疫所のホームページをご参照ください。
黄熱ワクチンは1回の接種で10年間有効です。接種済み証明書は接種後10日目から有効になります。
検疫所や検疫衛生協会など、限られた施設でのみ接種が可能です。
検疫所のホームページ http://www.forth.go.jp/index.htmlをご参照ください。
腸チフスワクチン
腸チフスは汚染された飲食物や排泄物からかかる感染症で、途上国とくに南アジアやアフリカで流行しています。発病すると発熱をおこします。抗菌剤で治療することが可能ですが、最近は、抗菌薬に対する耐性化の問題が指摘されています。
日本では腸チフスワクチンが市販されていないため、積極的なワクチン接種が奨められていませんが、南アジアに滞在する場合は接種をお奨めします。
※東京医科大学病院渡航者医療センターでの、腸チフスワクチン
渡航者医療センターでは、腸チフスワクチン(ViCPS:注射)を海外から輸入し接種を行います。接種回数は1回で、追加接種の目安は2〜3年です。お気軽にご相談ください。
髄膜炎菌髄膜炎ワクチン
髄膜炎菌感染症は、咳などで人から人に飛沫感染し、髄膜炎や敗血症をおこします。世界中で発生していますが、とくにアフリカの“髄膜炎ベルト”(サハラ砂漠の南方で、セネガルからエチオピア・スーダン)、中近東で流行を繰り返しています。その他、アメリカ、ヨーロッパなどでは寮生活をする学生の間で流行が発生し、問題になることがあります。
※東京医科大学病院渡航者医療センターでの、髄膜炎菌髄膜炎ワクチン
渡航者医療センターでは、髄膜炎菌髄膜炎ワクチン(4価多糖体ワクチン:MPSV4)を海外から輸入し接種を行います。接種回数は1回で、追加接種の目安は約3〜5年です。お気軽にご相談ください。
ポリオワクチン
ポリオはポリオウイルスによって、麻痺をきたす病気です。南アジア、アフリカでは、今もポリオ患者の発生がみられています。
海外では小児期にポリオワクチンを3回以上接種していますが、日本では2回接種で、感染予防には必ずしも十分ではありません。流行地域に滞在する際には追加接種を受けておくと安心です。また、昭和50年から52年生まれの人はポリオワクチンの効果が低かったことがわかっていますので、海外旅行と関係なく追加接種を受けるように努めて下さい。
※東京医科大学病院渡航者医療センターでの、注射ポリオワクチン
ポリオワクチンには、経口ポリオワクチン(OPV:生ワクチン)と注射ポリオワクチン(IPV:不活化ワクチン)の2種類があります。日本で使用されているポリオワクチンは、OPVです。OPVでは、極稀に副反応が出現する可能性が指摘されています。このため、渡航者医療センターでは、副反応の少ないIPVを海外から輸入し接種を行います。お気軽にご相談ください。
なお、渡航者医療センターでは、OPVの取り扱いはしていませんので、ご了承ください。
コレラワクチン
コレラは途上国を中心に世界的な流行が続いています。生の海産魚介類などから感染する病気ですが、近年流行しているコレラは症状も軽く、軽症の下痢ですむのが特徴です。治療としては、水分を補う適切な補液が中心です。
※東京医科大学病院渡航者医療センターでの、コレラワクチン
渡航者医療センターでは、海外からコレラワクチンを輸入して接種を実施します。冷水に混ぜて内服します。接種前後の1時間は飲食や服薬を控えていただきます。下記のスケジュールになります。出発1週間前までには終了できるようにしましょう。
なおコレラワクチンは、病原性大腸菌の予防効果も存在し、旅行者下痢症に対する予防接種としても期待されています。お気軽にご相談ください。
| 対象 | 接種回数 | 接種間隔の目安 | 有効期間の目安 |
| 成人と6歳以上 | 2回 | 1〜6週間 | 約3年 |
| 2歳以上6歳未満 | 3回 | 1週間間隔 | 約3年 |
東京医科大学病院 渡航者医療センター 担当:鹿島、福島
〒160‐0023 東京都新宿区西新宿6-7-1 東京医科大学病院7階
電話 : 03-5339-3726(直通)
E-mail : travel@tokyo-med.ac.jp




