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◆海外感染症流行情報(2018年4月号)
東京医科大学病院 渡航者医療センター
●世界の麻疹流行状況
日本では3月末から沖縄県で麻疹の患者数が増加し、4月23日までにその数は70人近くになっています。愛知県名古屋市でも、沖縄訪問後に麻疹を発病した患者から二次感染がおきている模様です。今回の沖縄県での流行は、台湾からの旅行者が初発例とされています(国立感染症研究所 2018-4-19)。台湾では2000年代初頭に麻疹がほぼ撲滅されましたが、今年の3月から台北周辺で航空会社の職員を中心に12人の患者が発生しました(台湾CDC 2018-4-19)。この台湾での流行が沖縄県にも波及したものとみられています。なお、フィリピンでも麻疹患者が増加しており、ミンダナオ島のダバオなどでは、今年になり4,000人以上の患者が確認されました(英国FitForTravel 2018-4-16)。
ヨーロッパでは今年3月からフランスやイタリアで麻疹の患者が増加しています(ヨーロッパCDC 2018-4-13)。フランスではボルドーなど南西部で患者が多く、4月中旬までに1,300人を超えました。イタリアでも400人以上の患者が確認されています。これらの国々には、ゴールデンウイーク中に日本から多くの観光客が訪れるため、十分な注意が必要です。
南米ではベネズエラで麻疹の患者が増えており、ギアナ高地のあるBolivar州を中心に今年は300人近い患者が確認されました(米州保健機関 2018-4-6)。また、ベネズエラと隣接するブラジルの北部でも麻疹患者が増加している模様です。
日本では20歳代後半から40歳代前半の世代で、麻疹の免疫力が低下しています。この世代が流行国に滞在する際には、麻疹ワクチンの接種を受けておくことを推奨します。
●カンボジアでマラリア患者が増加
2017年にカンボジアでは、前年に比べて2万人多いマラリア患者が発生しました(FORTHホームページ 2018-3-29)。英国FitForTravelのホームページに掲載されたMalaria Mapでは、カンボジア北西部のタイ、ラオス、ベトナム国境付近が高度流行地域になっています。これらの地域に滞在する際にはマラリア予防内服などの対策が必要です。
●フィリピンのデング熱流行状況
フィリピンのマニラ北部にあるPangasinan県で、1月から3月までにデング熱の患者が1,000人近く発生しました(英国FitForTravel 2018-4-18)。これは昨年同期の3倍近い数です。フィリピン全体の患者数は、2月末までに15,000人と例年よりも少なくなっていますが、今後、雨季の到来とともに全国的に患者数が増加する可能性があります(WHO西太平洋 2018-4-12)。
●ナイジェリアでラッサ熱の流行が拡大(続報)
西アフリカのナイジェリアでラッサ熱の流行が発生していることを前号お知らせしましたが、4月もさらに患者数が増えています。今年1月から4月中旬までの確定患者は400人以上にのぼり、このうち114人が死亡しました(WHO 2018-4-20)。ラッサ熱はネズミの尿に排泄されるウイルスに接触して感染します。西アフリカでは毎年1月~6月に流行がみられており、今後も患者数が増加する可能性があります。
●ブラジルでの黄熱流行は沈静化
ブラジル南東部で発生している黄熱の流行は4月になり沈静化の傾向にあります。3月末から4月中旬までの新規確定患者数は26人で、2月から3月の1ヶ月間に発生した400人以上の患者数に比べて大幅に少なくなりました(ブラジル保健省 2018-4-19)。ブラジル政府による住民のワクチン接種が進んでいることや、ブラジル南東部が4月から乾季に入り蚊が減少するため、流行は次第に終息するものと予想されます。
●ジカウイルスの精液中における感染性
米国CDCの報告によれば、ジカウイルスを発病した184人の男性を調査したところ、多くの患者から発病3か月後まで、精液中にウイルスのRNAが検出されました。しかし、ウイルスの感染性は、発病して1か月後には消失していました(New England Journal of Medicine 2018-4-12)。WHOや米国CDC では、ジカウイルスの流行地域に滞在した男性は、流行地域を離れても6カ月間はコンドームを使うなど安全な性行為をするように勧告しています。今回の調査結果により、この期間が短縮される可能性があります。
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※過去の「海外感染症流行情報」は、PDF形式でご覧になれます。
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