
「腑に落ちる」医療
最近は「腑に落ちない」という否定的表現がよく使われ、肯定的な「腑に落ちる」は聞き慣れないかもしれません。しかし、「腑に落ちる」と言う表現は夏目漱石の作品にもあり、立派な日本語だと思います。医療も「腑に落ちない」ことが多くなったのは事実ですが、我々は「腑に落ちる」医療を目指します。
「なるほど」と患者さんやその家族が「腑に落ちる」ことが、まずもって大切です。そして医療者も共に「腑に落ちる」ことも大事だと考えます。なぜなら、医療は患者さんやその家族や関係者の方々と、医療者が協力して作り上げるものと理解するからです。それぞれの立場からお互いの納得を確認し、これを分かち合うことが「腑に落ちる」医療につながります。安全・安心で高度な医療は、同時に「腑に落ちる」医療でなければなりません。安全も安心も、そして高度さも「なるほど」と実感できるものでなければならないということです。
本院は、特定機能病院として最高レベルの医療機器と医療スタッフが診療に携わっています。これまでに積み重ねた経験を活かし、チーム医療のより一層の充実を図ります。これらの一つ一つの努力が、「腑に落ちる」医療へとつながることを願い日々の業務を誠実に行います。
我々は、患者さんやその家族の方々と共にある大学病院でありたいと願っています。
平成21年9月
東京医科大学病院
院長 行岡 哲男

