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形成外科

乳房再建外来

※当院でエキスパンダーとインプラントの乳房再建を行っている方・行った方へ(2019年7月31日)

乳房再建外来開設にあたって

 東京医科大学病院におきましては、2014年1月<人工乳房による乳房再建>の保険適応が拡大されたことを受け、乳房再建を希望する患者さんが増えてまいりました。

 われわれ形成外科と乳腺科では、このような患者さん達の声に答えるべく、同時期より両科が緊密に連携をとり、乳がん手術と乳房再建を同時(または乳がん摘出が終わって後日)に行う体制作りをして参りました。

 乳がんの治療ゆえ、がんの治療を最優先に考えた確実な切除はもっとも大切と考えていますが、それと同時に、失ってしまった乳房を再び取り戻すことも、重要な治療のひとつと考えております。具体的には、手術前に両科で合同カンファレンスを行い、患者さん一人ひとりの詳細な検討を行い、乳がん治療と平行して乳房再建を行うための治療計画を立て、対応しています。

 このような乳房再建に対する体制作りが軌道に乗り、患者さんへの情報提供をより積極的に行う為に、この度、形成外科外来に≪乳房再建外来≫を開設する運びとなりました。皆様に活用していただき、より質の高い乳がん治療に役立てていきたいと考えております。

乳房再建について

 乳房再建の対象となる患者さんは、これから乳房を切除する方、すでに切除した方、いずれもなります。乳房を切除したままだと洋服がきれいに着こなせない、パッドがわずらわしい、温泉やプールに行きにくい、鏡を見たときに切なくなる、といった様々な声を耳にいたします。

 そのような背景の中で「乳房再建をすることで以前と同じ生活を取り戻したい」と考え再建手術を希望される方が外来にいらっしゃいます。そして、私どもは患者さんの希望を聞きながら最適な再建を提案しています。

乳房再建外来を受診される前に皆さんに知っていただきたいこと

再建には、一次二期、二次一期などの再建時期や回数を表す言い方があり、下の表のように組み合わせることで4通りの再建のパターンがあります。

再建のパターン

《 再建の時期 》

乳がん摘出と同時に再建をすることを一次再建、
後日再建をすることを二次再建といいます。

再建の時期

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《 再建の回数 》

1回の手術で完成することを一期再建、
エキスパンダーをもちいて2回の手術で完成することを二期再建といいます。

再建の回数

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《 再建の方法 》

エキスパンダーとシリコンインプラントを用いた人工物再建、
広背筋皮弁や腹直筋皮弁、深下腹壁動脈穿通枝皮弁(DIEP flap)などを用いた自家組織再建があります。
保険適応外ではありますが、脂肪注入を併用した手術もあります。

再建の方法

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《 乳頭乳輪再建 》

乳頭・乳輪を切除した場合は、乳房のふくらみをつくった後おちついてから乳頭・乳輪再建をします。健康な乳頭や乳輪の一部や、足の付け根の皮膚を移植する方法がありますが、健康な乳房にメスを入れたくない場合は、タトゥ(刺青)で乳頭乳輪の色を再現し、皮膚を立ち上げる局所皮弁で乳頭を作る方法も可能です。特に当院ではつぶれにくい局所皮弁を用いた乳頭形成をしています。

乳頭乳輪再建

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当院の乳房再建外来について

 乳がん患者さんのうち約4割は根治のために乳房全摘術が必要であり、このうち乳房再建を希望される方には形成外科を受診していただきます。また、部分切除で乳房の変形が強いことが予想される場合も部分的再建などの相談を行っています。

 形成外科専門医で乳房再建を専門に担当する医師が、それぞれの患者さんの乳房形態や生活スタイルにあわせた再建方法をアドバイスしています。患者さん自身が希望する再建方法を伺いますが、必ずしもその方法が適切でない場合もあり、診察の上、その患者さんに最適な方法を提案し、再建方法を一緒に考え決定します。

 乳房再建が決定すると、乳腺科と形成外科でカンファレンスを行い、より美しい乳房が取り戻せるよう、適応・術式・皮膚の切開位置・手術方法の工夫・術前術後の薬物治療や術後放射線照射と手術のタイミングなどを十分に検討します。個人個人の状態に合わせたオーダーメイドの治療と乳房再建を行っています。

 乳房再建を考えている、もしくは内容を知りたいと考えている方は一度≪乳房再建外来≫をお尋ねください。外来日は、水曜日午前、木曜日午前・午後に設けています。受診を希望される方は形成外科外来へご連絡ください。納得のいく治療ができるよう、一緒に考えていきましょう。

外来診察日時

水曜日午前、木曜日午前・午後

※受診を希望される方は、形成外科外来へご連絡ください。

お問い合わせ

当院 形成外科外来

担当医

関連リンク

DOCTOR'S INTERVIEWサイトに担当医のインタビュー記事が掲載
「乳腺科と形成外科によるタッグで患者さんそれぞれの乳房再建を実現」

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