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トルコ共和国での大地震災害に際し、国際緊急援助隊医療チームに当院看護師が参加

2023.04.07

 2023年2月6日未明、トルコ南東部にてM7.8の大地震が発生し、隣国シリアと合わせると死者数5万人を超える甚大な被害となりました。この災害に際し、当院の伊藤智子看護師が、国際緊急援助隊(以下JDR)医療チーム2次隊メンバーの看護師として日本から派遣され、活動に参加しました。以下、伊藤看護師からの活動報告です。

トルコ共和国での災害支援活動報告

中央手術部 看護師 伊藤智子

 私は2月23日~3月8日の間、被災者の診療を行うためJDR医療チーム2次隊メンバーの看護師として日本から派遣され、活動に参加させていただきました。
 JDR医療チームは外来だけでなく手術や入院機能を備えており、レントゲンや検査、さらには機械の滅菌などもできるように資機材を全て日本から輸送して活動を行いました。国内外で災害医療支援活動を行うため、WHO(世界保健機構)ではEMT(Emergency Medical Team)の認証制度があり、EMTにはチームの機能に応じて3typeのカテゴリーがあります。JDRは2016年にType2の認証を受けており、今回日本で初めて外来、手術、入院機能を備えたType2としての活動を行いました。
 被害を受けたトルコガズィアンテップ南東に位置するオーゼリ市にて、地元の病院が被災し機能しなくなったため、職業訓練学校の広い駐車場に診療サイトとしてテントを設営し、診療を行いました。チームは近隣のサッカーコートに野営テントを張り、宿泊しながら24時間診療にあたりました。実際には、地震で負傷された方や、劣悪な避難生活の影響で持病が悪化した内因性の方、手術や入院が必要な方の対応を行いました。この地域には元々産婦人科がなかったため、分娩台を使用した産婦人科の診療は需要が多いと感じました。また、現地にはマッサージという文化がなかったため、理学療法士らによるマッサージの導入はとても喜ばれました。
 期間中は、朝晩氷点下になる程冷え込む日もある一方、日中はテント内が30℃近くまで上昇する日が続くなど厳しい環境でしたが、隊員同士お互いに体調管理に留意しながら無事に活動を終えることができました。私たち医療チームは密にコミュニケーションを図り、「押し付けない医療を提供しよう」「感謝の気持ちを伝えよう」といつも声をかけあっていました。患者さんはトルコ語で英語がほとんど通じないため、通訳や翻訳ツールを駆使してのコミュニケーションでしたが、最後には胸に手を当てて笑顔で帰られる姿が見られ、こちらの方が救われる思いで、胸がいっぱいになりました。
 今後も一人でも多くの方が救われるよう願いつつ、日々の仕事に精進してまいりたいと思います。

診療にあたる伊藤看護師(写真提供:JICA)
退院された患者さんとの記念撮影(写真提供:JICA)【後列右から3番目:伊藤看護師】

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