皮膚がんの治療

1

手術

●切除術

皮膚がんの治療の第一選択は手術になります。病変が小さい場合は局所麻酔で、大きい場合は全身麻酔で手術を行います。

●センチネルリンパ節生検

「センチネルリンパ節」は、原発巣からがん細胞が最初にたどり着くリンパ節と言われています。センチネルリンパ節を摘出し、がん細胞がいるかどうかを調べる検査をセンチネルリンパ節生検と呼びます。リンパ節転移が疑わしい病変の場合に行います。

●再建術

腫瘍が切除されたあとは皮膚が欠損するため、再建術といって皮膚を覆う手術が必要になります。欠損部の両端を縫合する縫縮術、欠損部をそのままにしておく開放創、病変の近くの皮膚を移動させる局所皮弁術、鎖骨・鼡径・臀部の皮膚を移植する植皮術があります。病変の部位、進行具合を考慮し再建方法を選択します。

2

薬物療法

●化学療法

抗がん剤を使って治療する方法です。有棘細胞がん、血管肉腫などが適応になります。

●免疫チェックポイント阻害薬

悪性黒色腫に対しての治療方法です。
がん細胞を直接攻撃するのではなく、自分の免疫細胞ががんを攻撃しやすくするための薬です。特定の抗体がみられるがん細胞に有効性が高いとされています。治療効果の発現は他の治療薬より遅く、治療効果の持続期間も比較的長いのが特徴です。一方、免疫に関与する副作用があります。

●分子標的薬

特定の遺伝子変異を持つがん細胞に特異的に高い奏効率が期待できる治療薬です。
悪性黒色腫の場合、BRAF/MEK阻害薬、血管肉腫の場合、マルチキナーゼ阻害薬(パゾパニブ)、皮膚悪性リンパ腫の場合、HDAC阻害薬(ボリノスタット)が用いられます。

3

放射線

放射線療法は、高エネルギーの放射線を体外から照射して、がん細胞を死滅させる治療方法です。皮膚がんの種類によっては、手術を行えない場合や機能面・整容面から手術が望ましくないと判断される場合、手術後の追加治療とする場合などに行われることがあります。

4

その他の治療法

●外用薬

日光角化症(前がん病変)に対しては、イミキモド(炎症を起して腫瘍を破壊する薬剤)の外用を行います。

●紫外線治療

皮膚悪性リンパ腫では、narrowband UVBやbath PUVA療法などの紫外線治療を外来で行っています。

最終更新日:2023年2月10日

Page Top