-
8:00~11:00
備考欄参照
予約のみ受付
8:00~11:00
- 午後の初診は紹介患者のみ受付
- 本館外来棟3階案内図はこちら
変形性股関節症とは
変形性股関節症は股関節の軟骨が徐々に摩り減って、骨を含めて関節が変形し、痛みや歩行障害が生じる病気です。
原因には次の二つがあります。
①加齢
②先天性股関節脱臼や先天的変形またはケガの後遺症
日本人の70~80%が②によるもので、女性に多いのが特徴です。病気の初期は股関節に痛みを感じても短期間で消失するが、経過とともに痛みを感じる時間は長くなり、徐々に歩けなくなります。靴下の着脱、足の爪切り、和式トイレの使用等も困難になります。
診断

この状態のままでは動脈硬化が進みやすくなり、狭心症や心筋梗塞や脳出血や脳梗塞などを起す危険性が高くなります。日本における死亡原因の1位は悪性新生物(がん)ですが、2位は虚血性心疾患、3位が脳血管疾患で、ともに私たちの健康を脅かしています。そのため共通した発症要因であるメタボリックシンドロームを改善し、高血圧や高血糖、高脂血症の管理を行うことが大切なのです。
前股関節症 | 初期股関節症 | 進行期股関節症 | 末期股関節症 | |
---|---|---|---|---|
関節の隙間 | ほぼ正常 | わずかに狭くなる | 明らかに狭くなる | 隙間が消失 |
関節面の不適合はほとんどない | 関節面の不適合が生じる | |||
臼蓋・骨頭の変化 | ほとんどない | 体重が掛かる部分の骨の硬化※1 | 関節の縁に骨棘※2形成、骨頭の骨硬化、のう胞形成 | 著明な骨棘形成、広範な骨硬化・骨のう胞※3など |
痛み・歩行障害 | 重労働・長距離歩行時に股関節痛 | 痛みを感じる時間が徐々に長くなり、休みながらでないと歩けなくなる | ||
股関節の動く範囲 | 制限ほとんどない | 股関節を開いたり曲げたりができにくくなり、靴下の着脱、排泄、足の爪切り等の日常動作が不自由になる |
※1 骨の硬化:軟骨の下の骨が硬くなる ※2 骨棘(こつきょく):棘のような骨が関節の周辺にできる
※3 骨のう胞:体重のかかるあたりの骨の中に穴があく
治療法
保存的治療と手術的治療があります。
1. 保存的治療
股関節への負担を減らす体重コントロールと、股関節を支える力を強化するために中殿筋のトレーニングを行います。
2. 手術的治療
骨を切って、病気によって変形して合わなくなった股関節の適合性を改善させる「骨切術」と、人工の関節に置き換える「人工股関節全置換術」という手術方法があります。「骨切術」は病気が進行していない時期に行われます。「人工股関節全置換術」では関節の動きが改善され、痛みも緩和されます。近年、人工股関節全置換術を受けた80%以上の人が、手術後20年間問題なく生活しておられます。