胃がんの治療をするにあたり、がんの進行度(病期、ステージ)を評価します。その進行度に合わせて治療方針を決定します。しかし、患者さんの年齢や体力なども考慮し、治療を決定します。

組織型
一般型と特殊型に分類されます。一般型は分化型、未分化型に分類され、さらに細分化されます。組織型によってがんの拡がりに特徴があります。早期分化型癌では内視鏡的な治療の適応になる場合があります。
一般型 | 分化型癌 | 乳頭腺癌、管状腺癌 |
未分化癌 | 低分化腺癌、印環細胞癌、粘液癌 | |
特殊型 | カルチノイド腫瘍、内分泌細胞癌、腺扁平上皮癌、扁平上皮癌など |

胃がんの病期
胃がんの治療を決定するために、まず進行度(病期、ステージ)の評価をします。病期はT因子(がんの深さ)、N因子(リンパ節転移の個数)、M因子(遠隔転移)の3項目で評価します。それらの組み合わせで病期を分類します。
① T因子
T1 | 癌の局在が粘膜(M)または粘膜下組織(SM)にとどまる |
---|---|
T2 | 癌の浸潤が粘膜下組織を超えているが、固有筋層にとどまるもの(MP) |
T3 | 癌の浸潤が固有筋層を超えているが、漿膜下組織にとどまるもの(SS) |
T4 | 癌の浸潤が漿膜表面に接しているかまたは露出、あるいは他臓器に及ぶもの |
T4a | 癌の浸潤が漿膜表面に接しているか、またはこれを破って遊離腹腔に露出しているもの(SE) |
T4b | 癌の浸潤が直接他臓器まで及ぶもの(SI) |
※早期胃がんはT1のことを意味します。
② N因子
N0 | 領域リンパ節に転移を認めない |
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N1 | 領域リンパ節に1~2個の転移を認める |
N2 | 領域リンパ節に3~6個転移を認める |
N3 | 領域リンパ節に7個以上転移を認める |
N3a | 7~15個の転移を認める |
N3b | 16個以上の転移を認める |
③ M因子
M0 | 遠隔転移がない |
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M1 | 遠隔転移がある |

胃がんの病期分類
N0 | N1 | N2 | N3a | N3b | T/Nにかかわらず M1 |
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T1a (M),T1b (SM) | IA | IB | ⅡA | ⅡB | ⅢB | IV |
T2(MP) | IB | ⅡA | ⅡB | ⅢA | ⅢB | |
T3 (SS) | ⅡA | ⅡB | ⅢA | ⅢB | ⅢC | |
T4a (SE) | ⅡB | ⅢA | ⅢA | ⅢB | ⅢC | |
T4 (SI) | ⅢA | ⅢB | ⅢB | ⅢC | ⅢC | |
T/Nにかかわらず M1 |
病期ⅠAが内視鏡治療の可能性があります。
病期ⅡもしくはⅢは術後補助療法の適応になります。
後述の胃がんの治療を参照してください。
最終更新日:2020年3月23日