前立腺がんの検査と診断

印刷用PDF
1

検査

前立腺がんの診断のためには、前立腺針生検という方法で検体を採取し、病理学的にがんと診断する必要があります。まず、どのような患者さんに生検を行うかを判断するためには、スクリーニング検査が必要になります。
スクリーニング検査とは、前立腺がんの可能性がある人を見つけるための検査であり、採血検査によるPSA(前立腺特異抗原)を測定します。PSAは前立腺に特異的なたんぱく質であり、PSAが正常値を超える場合は前立腺がんが疑われることになり、数値に比例して前立腺がんの発見率が高くなる傾向にあります。

また、PSA値が高い場合には前立腺MRI検査を行います。MRI検査を行うことにより、前立腺の形状や大きさを画像で確認、前立腺内にがんを疑わせる所見があるかどうかについて評価することができます。PSA値とMRI検査所見の総合的な評価が、生検を行うかどうかの指標となります。MRI検査にて疑わしい病巣が確認された場合には、より精度の高い生検を行うことができます。

2

診断

前立腺がんを診断するためには、生検による病理学的評価が必要です。
生検方法によってそれぞれ入院期間や麻酔法に若干の違いがあります。また、検査前に抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)の服用を中止する必要があるため、脳梗塞、不整脈などの病気で抗凝固療法を受けている方は、必ず担当医にお申し出ください。

1経直腸的前立腺針生検

通常、一泊二日の入院で行います。午前中に入院し、午後に検査を行います。経直腸的前立腺生検は局所麻酔にて行い、検査時間はおおよそ10~15分くらいです。肛門部から超音波の機械を挿入し、超音波ガイド下で、約12~16か所に針を刺し、生検を行い、止血を確認して終了です。検査後、発熱、直腸出血、排尿障害などの副作用について注意深く観察するために一泊入院し、翌日、特に問題がなければ退院となります。

2経会陰式前立腺針生検

通常、二泊三日の入院で行います。MRIにて前立腺がんの病巣の場所が腹側に近い場合や内腺領域にある場合などに、経会陰式針生検法を行うことがあります。肛門から超音波の機械を挿入することは経直腸的前立腺針生検と同じですが、会陰部の皮膚から生検を行うため、腰椎麻酔により手術室で行います。麻酔の影響で排尿が困難になるため、一日尿道カテーテルを留置します。翌日、体調に問題がなければ尿道カテーテルを抜去して退院となります。

3MRI-経直腸超音波融合画像ガイド下前立腺生検

血清PSA値が4.0~20ng/mlかつ前立腺MRI検査にてがんの存在が疑われる所見を有する患者さんが適応となります。
入院期間、麻酔法は先述の経会陰式前立腺針生検と同じです。肛門から超音波プローブを挿入し、超音波検査画像と事前に撮影したMRIを融合します。がんが疑われる個所を明確にし、そこに生検を行います。生検後は、採取した組織を顕微鏡で観察し、病理組織診断を行います。

最終更新日:2022年4月5日