前立腺がんの治療を決める因子

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前立腺がんと診断された場合、治療方針を決めるためにはまず各種画像検査を行った後に、病期診断を行います。

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画像検査

CT検査:
全身を撮影して、多臓器への転移性病変や、リンパ節転移などの有無を評価します。

MRI検査:
前立腺のMRI検査を行うことにより、局所のがんの広がり具合を評価します。
(前立腺MRI検査は生検前に施行していることが多いです。)

骨シンチグラフィー:
前立腺がんは骨への転移を起こすことが多く、全身の骨をシンチグラフィーにて転移性病変の有無について評価します。

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病期分類

画像検査の結果を総合して病期分類を行い、一般的にはTNM分類が用いられています。

T: がんが前立腺の中にどの程度広がっているか、また隣接臓器まで及んでいるかどうかなどを表しています。
N: 前立腺からのリンパ液が流れている近くのリンパ節(所属リンパ節)へ転移しているかを表しています。
M: 前立腺以外の離れた臓器への転移(遠隔転移)があるかを表しています。

前立腺がんの病気分類

T1 直腸診で明らかにならず、偶然に発見されたがん
T1a 前立腺肥大症などの手術で切り取った組織の5%以下に発見されたがん
T1b 前立腺肥大症などの手術で切り取った組織の5%を超えて発見されたがん
T1c PSAの上昇などのため、針生検によって発見されたがん
T2 直腸診で異常がみられ、前立腺内にとどまるがん
T2a 左右どちらかの1/2までにとどまるがん
T2b 左右どちらかだけ1/2までを超えるがん
T2c 左右の両方に及ぶがん
T3 前立腺をおおう膜(被膜)を越えて広がったがん
T3a 被膜の外に広がっているがんに(片方または両方、顕微鏡的な膀胱への浸潤)
T3b 精のうまで及んだがん
T4 前立腺に隣接する組織(膀胱、直腸、骨盤壁など)に及んだがん
N0 所属リンパ節の転移はない
N1 所属リンパ節の転移がある
M0 遠隔転移はない
M1 遠隔転移がある
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リスク分類

早期前立腺がん(転移のない前立腺がん)は、3つの因子(T-病期、グリソンスコア、血清PSA値)を用いて低リスク群、中間リスク群、高リスク群に分けられます。グリソンスコア(Gleason score)は、前立腺がんの悪性度を表す病理学上の分類です。グリソンスコアが6以下は悪性度の低いがん、7は中くらいの悪性度、8~10は悪性度の高いがんとされています。

転移のない前立腺がんに対するNSSNリスク分類

低リスク 病期T1~T2a、グリーンスコア6以下、PSA値10ng/mL未満
中間リスク 病期T2b~T2c、グリーンスコア7、またはPSA値10~20ng/mL
高リスク 病期T3a、グリーンスコア8~10、またはPSA値20ng/mL以上
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病気およびリスク分類による治療のアルゴリズム

病気およびリスク分類による治療のアルゴリズム

最終更新日:2022年4月5日