乳がんの種類

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針生検で乳がんと診断されると、免疫組織化学法という染色法でさらに詳しく検査が行われます。その結果から乳がんは、ホルモン受容体HER2タンパクKi67(がんの増殖能)という3つの要素によって、5つのタイプに分類することができます。これを乳がんのサブタイプ分類といいます。
サブタイプは乳がんの治療方針を決定する上で重要な因子です。

乳がんサブタイプ分類

HER2(-) HER2(+)
ホルモン受容体
(+)
Luminal A
or
Luminal B
Luminal HER2
ホルモン受容体
(-)
Triple negative HER2 type
1

Luminalタイプ

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがあり、それらの女性ホルモンと結合する受容体が乳がん細胞に発現しているタイプを「ホルモン陽性乳がん」もしくは「Luminal(ルミナール)タイプ」と呼びます。女性の乳がんの約70%がこのタイプです。Luminalタイプは女性ホルモンにより、がんが増殖したり転移したりします。そのため、エストロゲンの産生を抑制したり、がん細胞のエストロゲンの取り込みを阻害する内分泌治療の適応となります。
さらに、後述するKi67の値などを考慮してLuminal AとLuminal Bに分けられます。Luminal Aに比べLuminal Bは、がんの増殖力が高く、再発リスクが高いタイプです。

2

HER2タイプ

乳がんの約15~25%では、がん細胞の表面にHER2タンパクが過剰に発現しており、このHER2タンパクが、がん細胞の増殖に重要な役割をしています。このタイプは「HER2陽性乳がん」もしくは「HER2タイプ」と呼ばれ、HER2タンパクの働きを抑える作用がある分子標的治療(抗HER2療法)の適応となります。

3

Luminal HER2タイプ

ホルモン受容体とHER2タンパクがいずれも過剰発現しているタイプです。

4

トリプルネガティブタイプ

乳がん細胞のホルモン受容体の発現が陰性で、HER2タンパクも過剰発現していないタイプを「トリプルネガティブ乳がん(Triple Negative Breast Cancer)」と呼びます。このタイプでは、内分泌治療や分子標的薬の効果は期待できず、化学療法の適応となります。

*Ki67染色率

増殖中のがん細胞に存在する核タンパクで、乳がんの増殖能を示す指標です。Ki67染色率が高いほど、がんの増殖のスピードが速いと考えられており、15~30%以上が高値となります。

最終更新日:2020年3月30日