インプラント外来

インプラント治療とは?

 医療においては、体内に埋め込む器具を総称して「インプラント」と言いますが、一般に歯科で扱われるインプラントとは「人工歯根」の呼称です。すなわち、インプラント治療とはこの人工歯根を用いて歯を作り、咬合機能や審美機能の回復を図ることを言います。
例えば、何らかの理由により歯が欠損した場合に、その部分の顎の骨にインプラントを埋め込んで(埋入:まいにゅう)歯の代わりとする治療法がこれにあたります。現在、国内・国外をあわせて多数のメーカーからインプラントが開発・販売されておりますが、そのほとんどは素材に生体親和性が良いとされるチタンを用いています。メーカーによって表面性状や形態に違いがあるものの、顎の骨に埋められたチタン製のインプラントが骨と結合するメカニズムを利用するという基本的なコンセプトに大きな違いはないようです。当科では、世界的にシェアが大きく、また歴史のあるメーカーのインプラントシステムを採用しております。この理由としては①世界のどこででも修理や継続治療が出来ること。②過去のたくさんの治療実績に裏づけされたデータがあること。などが挙げられます。
当科ではノーベルバイオケア社とアストラテック社のインプラントシステムを採用しております。(2011年4月現在)
 

インプラント治療のメリットは?

 怪我や歯周病によって歯を失ってしまった場合は、どのようにするのでしょうか?例えば両隣にある歯を削って欠損部分を補うブリッジと呼ばれる方法や、入れ歯と呼ばれる方法がなじみのある治療法だと思います。それでは、これらの方法に比べてインプラント治療が勝っている点はどこにあるのでしょうか?インプラント治療の場合は、原則として両隣にある歯を削る必要もありませんし、入れ歯に比べて噛む力を強く発揮できるとされています。もちろん、誰にでもインプラント治療が適応されるわけではなく、全身や顎の骨の状態によっては行わない場合もあります。しかし、当科のインプラント外来では最新で確実な技術を駆使して希望に添えるよう努力しておりますので、他院でインプラント治療を断られた方でも相談にいらしてください。
 

 

インプラント治療の実際

術前診断

まずは現在の状況をしっかりと把握するところから始めます。具体的には全身状態の検索や口腔内の精査(口腔内写真撮影、模型の作製、歯周病の評価など)、さらにレントゲン、CT撮影を行い顎の骨の状態を詳しく評価します。当科ではさらに顎の骨を詳細に評価するための専用ソフト(Sim Plant)による解析を行います。
 

 

術前処置

インプラント治療を希望されても、インプラントを埋めるためには十分な骨があることが必要です。では、骨がない場合はインプラント治療をあきらめなければならないのでしょうか。当科では骨が薄くなっていたり十分な骨の量がない症例に対しては、インプラントを埋めるための「土台」をつくる骨移植を行います。これは「骨造成」とも呼ばれ、現代のインプラント治療においては汎用されるテクニックであります。例えば、上顎の臼歯部では、上顎洞(副鼻腔の1つ)がインプラント埋入予定部位の骨と近接し、骨の量が不足している場合が多くみられます。このような症例では「上顎洞底挙上術」というテクニックを用いて上顎洞底の粘膜を持ち上げたのち、自家骨などを移植することによりインプラントの埋入手術を可能にします。
 

 

写真)右上顎洞底挙上術および自家骨移植をおこなったのちインプラントを埋入した症例。

インプラント埋入

一般的な歯科治療で使用される麻酔(局所麻酔薬)を施した後、歯肉を切開し顎の骨を露出させます。露出した骨に対して専用の機械をもちいて孔を形成し、インプラントを埋入します。その後は歯肉を縫合して手術終了となります。症例によっては、その日のうちに仮の歯を装着することもあります。また、手術に対しての恐怖心が強い方には静脈内鎮静法を併用することによって、快適に施術することができます。

治癒期間

インプラントを埋入したあとは、骨とインプラントがしっかり結合されるまでの治癒期間(3~6ヶ月)を設けます。ただし、治癒期間は骨の質やその他条件によって個人差があります。

アバットメントの連結

人工の歯の支台となる部分(アバットメント)を、埋入したインプラントに取り付けます。この時、簡単な手術を行います。

人工の歯の装着

お口の中の型を採らせていただいたあとに、その型に従って人工の歯を作製いたします。その後は、アバットメントの上に人工歯を装着して完成となります。

メインテナンス

インプラント治療後は、より長く快適に過ごしていただくために、適切なホームケアと定期的な検診が不可欠です。当科では半年に一度程度の定期検診をうけていただくようにお願いしております。

当科のインプラント外来では、一本の欠損から口腔手術後の顎骨再建を伴うインプラント治療まで幅広く対応しています。どんな小さなことでも構いませんので、ご相談ください。

症例1

5本のインプラントを埋入して咬合機能の回復を図った症例。
 

 
 
   

症例2

重度の歯周炎によって大部分の歯を失ってしまった方。しばらくは義歯(上は部分義歯、下は総義歯)を使用していたが、義歯の使用感になじめず当科を受診された。歯周炎治療を先行したのち、インプラント治療を開始。上顎には5本、下顎には4本のインプラントを埋入した。右下の写真は手術後の仮歯の状態。
 

 
 
 
 

インプラント治療のQ&A

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